第44話

泥棒になった気分だった。何より,ライアンに知られたら確実に嫌われるという恐怖感に襲われる。

「お肉,置いておきますね!」

台所らしきスペースの、棚の下辺りは日陰になっていた。ここなら、すぐ痛むこともないはずだ。あまり物を見ないように細大な配慮をしつつ,リトルブルーは少しホッとして玄関へと向かった。あとはなんの痕跡も残さずにこのドアから外に出ればいいだけだ。

 しかし、物事はそう簡単には進まなかった。

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