第29話

 そしてまた別の日、小雨が降ってきた。それはゆっくりと激しい雨になってきたので、訓練はすぐに中止になった。

リトルブルーは訓練場の入り口付近でライアンの姿を見かけた。

すると、同じ場所から

「ふ、面白いな。私はお前のような強い男が好きだ」

声がした。こちらからは死角になっていて見えないが、ポルカの声だった。

「強くなんかない」

今度はライアンの声だ。

ポルカはしばらくライアンを見つめ、言った。

「新しく入った彼女のことをきにしているのだろう。実際、彼女は特別だ。戦いにおいて才能がある」

「だったらなんなんだ」

少し語尾を荒げてライアンは声を搾り上げた。

「やはりお前に興味が沸いた。お前の中に何があるのか、私は知りたい」

ポルカの腕が、ライアンの肩へと伸びていく。ふれる。

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