第22話
「でも」
思わず、「でも」が口から出てしまった。。
「私は、怖い。だって認めたら、認めてしまったら傷つくことになるかもしれない。ライアンさんのことを何も知らないのに。これが恋なのかも愛なのかも分からない。私なんかに好かれたら迷惑かもしれない」
言葉はだんだん熱を帯びて、滝のようにとまらなくなる。
「でも、あの人に愛する人がいるかもしれないと思うと、なんだか、変な気持ちになって。別に嫉妬する権利も資格もないのに。自分がめんどくさくて、嫌で、ほんと何やってるのか、わかんなくて」
結局、
「私は、結局傷つくのが、恥をかくのが、怖いだけだ」
沈黙が広がった。耳鳴りがするほど、静かになった。痛い、重い、苦しい。喉の奥が重くなる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます