第13話

ライアンはそう怒鳴って一度距離を取る。

 その時、リトルブルーの正面にライアンがたどり着いた。剣を振りかぶる。

 討ち取った、皆がそう確信した瞬間、リトルブルーが何故かライアンの足元にがばっとかがみこんだ。

「…何してる」

ライアンは、怪訝そうな顔をした。リトルブルーは彼の足先の地面を掌で包んでいるのだった。

彼女が掌を避けた先にいたのは、青い小鳥だった。あと一歩ライアンが踏み出していれば、踏んづけていたかもしれなかった。

リトルブルーは心からほっと胸を撫で下ろして、腕を空の方へ伸ばす。

「ああ、よかった」

さあお行き、と掌をやさしくひらくと、小鳥はリトルブルーの肩に飛び乗って嬉しそうにした。そうして彼女の頬にすりすりとその身を預ける。誰しもが置いてきぼりを食らったかのように唖然とした。

「ふふっ、もう、くすぐったい」

 可憐な少女のように無邪気に笑うリトルブルーに、数人の団員がときめいていた。

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