第14話


どういう了見だろう。

ライアンは彼女の行動の意味を、はかりあぐねていた。

 やがて小鳥はぱたぱたと翼をはためかせ、空へと飛びたっていった。するとリトルブルーは慌てて立ちあがった。

「すいません、戦いですよね」

ハンマーを構える。

「さあ、続きをしましょう」

その表情に先程までの、怯えはどこにも無かった。あったのは、気高さと穏やかな強さ、そこからくる美しさだった。

「…!」

何か、胸の奥で名前のわからない感覚が響く。剣を持つ力が弱くなってくる。余計な力が抜けたかのようだ。

ぞわぞわと、ライアンの背筋が波打った。。

 戦いたい、戦いたくてうずうずしている。こんなに心が浮いたことは子どもの頃以来だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る