第12話

リトルブルーに向け、ライアンは剣を構えた。

 周囲は野次馬となって取り囲む。

 静かな空気。

ライアンは、野次馬の一人に合図して木製にハンマーを持って来させる。そしてそれをリトルブルーに投げて渡す。

「俺と戦え」

どよめきがますます大きくなってくる。気の毒なリトルブルーは、おどおどしながらもハンマーを構えた。

 戦闘が開始される。小さく息を吐いてから、ライアンがこちらに向けて駆けてくる。地面を走り抜ける一瞬ごとの姿は、美しい彫刻のように人々の目に映えていた。

ハンマーの柄で剣を受け止める、キンと音がして、閃光が走った。それを力の限り押し当てるライアンと、怯えるリトルブルーの瞳が合う。

「どうしたっ、君の力はそんなものではないだろう!」

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