第8話
「君が俺を助ける理由なんかないだろう。頼まれてもいないのに余計なことをするな」
ライアンはそれだけ告げて、すたすたと馬の元に戻っていった。
騎士団は、皆馬に乗って砂漠を後にする。青ざめたリトルブルーだけがそこに残った。
思っていたよりも随分冷たい目に見えた。
自分は一体何を期待したのだろう。お礼を言ってもらえると思ったのだろうか。助けたのがただの優しさだったのか、何か下心でもあったのか、頭の中がごちゃごちゃして、自分の気持ちなのになんだかよくわからなくなってくる。
こんがらがった心を抱えて、リトルブルーは一人帰路に着こうとした。その時、彼女の肩を後ろから掴んだ人がいた。
「君、強いね。どこかで鍛えてた?」
そう話しかけてきたのは、団員の一人である中年の男だった。彼はノノと名乗り、リトルブルーの瞳を覗きこんだ。茶色い短髪とどこか無気力な笑顔が印象的だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます