第7話
「あんた、たしか道の真ん中で倒れてた」
低い声が鼓膜を揺らす。
その時、世界が変わった気がした。
美しい人、リトルブルーの胸はぽっと灯りが灯ったかのように熱くなった。美しいだけじゃない、何かがあると感じた。ライアンは手綱を離すと、すたすたとこちらに歩いてくる。リトルブルーの心臓がどくどくと脈を打ち始める。一体どうしたのだろう、今まで感じたことのない感覚だった。まるで焦らされているかのような、それでいて心が浮き足だつような。
二人は向かいあった。少しだけ沈黙が広がる。
「あ、あの」
正直、もう帰ってしまいたい。絵画の人物のように美しいライアンにじっと見つめられていると思うと、嫌な汗がふきだしてくる。
ライアンは、少しだけかがんでリトルブルーと顔の位置をあわせた。彼は、一瞬微笑んだ、かのように見えた。
しかし降ってきたのは冷たい声だった。
「危ないことをするな」
リトルブルーの体温が止まる。
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