第18評 百億年の孤独~朝比奈有人~

作品名:百億年の孤独

https://kakuyomu.jp/works/16817330667602131670

作者:朝比奈有人

https://kakuyomu.jp/users/EugeneAsahina




※注意

私は今まで、感想を書く機会がたくさんありました。オプチャや自主企画に参加した時はそれはそれは10~20作品以上感想を書いていたと思います。ただ、そこでの感想は人に嫌われないようにすることを気にするがあまり、本当の事を言えないというジレンマに囚われてしまったような気がします。良いところを探して言い、言い方は悪いですが、良くない部分は敢えて伏せる。そんなやり方に限界を感じてきたので、今回の企画を立ち上げました。何が言いたいのかといいますと、今回のレビューはかなり辛口です。しかし、作者さんを懲らしめようとか嫌がらせをしてやろうという気持ちは一切ありません。ただただ、純粋に読んで、私自身が感じたこと、もっとこうした方が良くなると思うことを列挙しています。ただ、何度もお伝えしている通り、私はプロでも何でもないですし、私の意見が全てだとは微塵も思っていません。なので、あまり真に受けずに、こういう人もいるんだなぁと思っていただけると幸いです。




●1話

文章表現が明瞭で分かりやすく、1話における文字数もそこまで多くなくて読みやすい文章だと感じました。気になったところがいくつかあります。「天涯孤独」と文中にありますが、文字通り彼は家族を全員亡くしているのでしょうか。その辺りが言及されていなかったと感じてしまいました。もう一つ気になったところは、説明が難しいのですが、「孤独こそ最強」を座右の銘にしているのに、「窓の外からは、交差点を行き交う人々の歓声と、賑やかな鳥たちの声が聞こえる。時計は午後三時を少し回ったところだった。もうすぐ師走だと言うのに、蓮の周りには、これと言って浮いた話もなく、楽しそうなイベントの予定もなかった。ただ、日々の雑事を粛々とこなしていく、そんな日常に、彼は本当に飽き飽きしていた。」という描写があるように、人と関わりあう生活に未練があるような気がして違和感を感じてしまいました。「未来に希望もなく、かと言って、理想の未来を勝ち取るために、何をしたらいいのかも分からない。蓮の状況は、まさに八方塞がりであった。」と「絶望、というものを彼は知らなかった。彼は意外にも、並外れたポジティブ思考の持ち主であった。日々、愚痴を垂れて、何かにイラついているように見えて、真の彼はとても前向きで、ストイックで、ポジティブな人間だったのである。」は前後で意味が繋がっていないように見えてしまいました。ここは自分の理解力が足りていないのかもしれませんが、彼は天邪鬼な性格という訳ではないのでしょうか。また、「絶望を知らない」と書いてありますが、それであるならば、冒頭で「俺の一生はこんなものか。こんなものか。こんなものか」と言っているのに違和感を感じてしまいます。もし、主人公が本当に思っていることとは裏腹に逆の言葉を発してしまうのならば、セリフの下に本音の心情描写とかそういうものもあってもいいかもしれません。




●2話

前話で言及されていた主人公の「孤独こそ最強」というモットーがあると思うのですが、今回の話で「そうよ。言ったでしょ。あなたが私と一緒に来てくれるならね」と女性が言ったのに対して、主人公がすぐに「よし!行ってやろう!どこへでも行く!」と発言したことに違和感を持ちました。本当に主人公が孤独を愛しているなら、ここでは女性の誘いを断ったりすると思います。今回の話では、主人公の軸と言いますか、一貫性がなかったように感じてしまいました。「麻雀牌はめっちゃ重いな。」というセリフは面白かったです。かくいう自分も最近は麻雀を嗜んでいるため、確かにと納得しました。女性のミステリアスな雰囲気から、彼女の正体が気になりますし、本当の世界に主人公を連れていく前に散歩を進めた理由も気になります。




●3話

やっぱり今回の話も主人公が様々な人と繋がりを持っていたり、親しい間柄なのを見て、全然孤独じゃなくね?と感じてしまいました。個人的には、三浦という人が気になります。「そうなんですか!なんか一向に話が見えませんが、まあ、そういうことなら気を付けて行って来てください。変な水は飲まないように」というセリフが不穏で気になりました。今後の展開にも関わってきそうです。




●総評

全体を通して、気になる部分が多かったという印象です。この作品のテーマは「孤独」だと思うので、それを軸にキャラの組み立てはやっていった方がいいと思います。今回読んだ話の中では、主人公の行動に一貫性がなく、軸がブレているように感じてしまいました。感性の違い等あるとは思いますが、1個人の意見だと思っていただけると幸いです。




◆◇以後作者さんインタビューです。◇◆




1.簡単にあなたの事を教えてください。


――朝比奈有人と申します。アプリ「ココナラ」で文章作成代行業を営んでいます。開業3年目のwebライターです。先日、「ココナラ」文章作成代行ライティング部門で第一位を獲得しました。

どうぞよろしくお願い致します。




2.カクヨムを利用し始めたきっかけは?


――何か、自分の創作意欲を発散するサイトがないかと探していて、このサイトに行き当たりました。




3.小説を書くことにおいて、どういった部分に魅力を感じるか?


――自身の中に内在する、日頃から感じていることや、生きることへの思いを文章化し、具体的に表すことが、とても意味のあることだと思っていて、そういうことで自身の思いを他の方に伝えられることに魅力を感じます。




4.あなたがこれまで読んできた小説の中で、最も影響を受けた作品を教えてください。


――夏目漱石「夢十夜」ですね。美しい文章表現、緻密な描写、全てにおいて完璧な作品だと思っています。




5.小説を書く上で最も大切だと感じることは?


――文章を通じて、自身の思いを素直に伝えることだと思います。




6.あなたの作品に登場するキャラのこだわりを教えてください。


――人間は様々な面を持った生き物ですので、そういった複雑な要素が絡み合ってできている人物だということを分かって頂けるような、そんなキャラクターを描いているつもりです。




7.あなたの作品の中で、読者に一番読んで欲しいシーンはどこですか?


――鬱々とした日々を送っている主人公が、そういった日々から脱却するきっかけとなる、謎の女との出会いの場面ですね。




8.将来的にカクコンなどで賞を取ることを目指していますか?また、あなたは小説家を志望してますか?


――幼いころからの夢が小説家になることだったので、できれば賞も取りたいですし、小説家になれれば言うことはないですね。




9.もし、あなたの小説がアニメ化、映画化されるとしたら、主題歌は誰に歌って貰いたいですか?差し支えなければ、主人公やその他キャラの声優さんを誰にしたいかもお聞きしたいです。


――主題歌は、椎名林檎さんか、宇多田ヒカルさんに歌ってほしいです。思いっ切り高望みですけど。w

主人公の声の声優さんは、置鮎龍太郎さんにお願いできたらいいですね。

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