第13評 Black Requiem ~For the girl~~罵論≪バロン≫~

作品名:Black Requiem ~For the girl~

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884784023

作者:罵論≪バロン≫

https://kakuyomu.jp/users/nightman




※注意

私は今まで、感想を書く機会がたくさんありました。オプチャや自主企画に参加した時はそれはそれは10~20作品以上感想を書いていたと思います。ただ、そこでの感想は人に嫌われないようにすることを気にするがあまり、本当の事を言えないというジレンマに囚われてしまったような気がします。良いところを探して言い、言い方は悪いですが、良くない部分は敢えて伏せる。そんなやり方に限界を感じてきたので、今回の企画を立ち上げました。何が言いたいのかといいますと、今回のレビューはかなり辛口です。しかし、作者さんを懲らしめようとか嫌がらせをしてやろうという気持ちは一切ありません。ただただ、純粋に読んで、私自身が感じたこと、もっとこうした方が良くなると思うことを列挙しています。ただ、何度もお伝えしている通り、私はプロでも何でもないですし、私の意見が全てだとは微塵も思っていません。なので、あまり真に受けずに、こういう人もいるんだなぁと思っていただけると幸いです。




●1話

文章表現がとてもうまく、登場人物の一挙手一投足が一つ一つ丁寧に描写されており、ある種の美しさを感じました。まるで、物語の中に引き込まれるような臨場感、私がダグラスに憑依して彼の視点を追体験したような気分になりました。「闇の中に葬れば、逃れられると思っていたのか?」冒頭の一文もとてもカッコよくて男心をくすぐられました。




●2話

1話の展開からどう引き継ぐのかと思って、次のエピソードに進んだところ、衝撃を受けました。前話での洗練された文章とは打って変わって、目の前に表示されたものはいたってシンプルな嗤い声でした。されど、そこからでも多くのことを想起することができました。フードの男の異常性、その奥に潜む負の感情、あえてバラバラに配置することによって、それらをうまく表現されていると感じました。




●3話

「首の後ろを中心に来た叩き付けられた衝撃よりも、喉に直接来た掴みの衝撃よりも、今更やって来た「追い付かれた」という恐怖の方が大きかった。」とあるように、ダグラスがどのくらい恐怖を感じたのかがより分かりやすく、そして印象的に伝わる書き方だと感じました。「痺れるような感覚が身体の至る所に根を張っていて」も見事な表現だと思いました。自分なら安易に走るとしてしまいそうなところを敢えて根を張るという言葉のチョイスがお洒落だと感じました。魔術を発動するシーンも技名もセンスを感じました。後、一番すごいと感じたのは、フードの男ではなくて、どちらかと言えば適役っぽいダグラスを視点に物語を書かれていることです。殺される側の視点から書くのは、自分はあまりして来なかったので新鮮でした。




●総評

作者様はとても高い解像度で物事をみられていると思います。だからこそ、見聞きしたこと、考えついたことを物語の中に深く落とし込めるのだと感じました。正直、カクヨムでこんなにレベルの高い文章をみれるとは思っていませんでした。これは私が目指す理想形であり、手本とするべきものかもしれません。カクヨムで読んだ話の中でもトップクラスに面白い作品だと感じました。私も数多の執筆者の1人です。罵論≪バロン≫様の小説を参考にさせていただきたいと感じました。今回は企画参加、本当にありがとうございました。




◆◇以後作者さんインタビューです。◇◆




1.簡単にあなたの事を教えてください。


――罵論と申します。かつては物書きを夢見ていたモノの残骸です。





2.カクヨムを利用し始めたきっかけは?


――小説の執筆・編集が分かり易かったので利用を始めました。





3.小説を書くことにおいて、どういった部分に魅力を感じるか?


――もう忘れてしまいました。それでも書く事を止められないんですよね。




4.あなたがこれまで読んできた小説の中で、最も影響を受けた作品を教えてください。


――十文字青の「薔薇のマリア」シリーズ。




5.小説を書く上で最も大切だと感じることは?


――思想。或いは考え、経験。作者が何かを伝えようと思いが込められていないそれは、冊子状に束ねられたチラシ裏の落書きと変わらないでしょう。




6.あなたの作品に登場するキャラのこだわりを教えてください。


――彼等なりの芯を描く事。彼等は我々を楽しませる為の演者ではなく、世界に生きている一人である事を意識する。




7.あなたの作品の中で、読者に一番読んで欲しいシーンはどこですか?


――感情が爆発するシーン。例えばこの作品(https://kakuyomu.jp/works/1177354054884784023)なら、『幕間 ~Where do you live at?~』ですね。




8.将来的にカクコンなどで賞を取ることを目指していますか?また、あなたは小説家を志望してますか?


――もうそういうのは諦めました。虎になるには才が無く、役人になるには素直さが足りなかった。




9.もし、あなたの小説がアニメ化、映画化されるとしたら、主題歌は誰に歌って貰いたいですか?差し支えなければ、主人公やその他キャラの声優さんを誰にしたいかもお聞きしたいです。


――そういうのは詳しくないので分かりません。ただ、主題歌は、聴いてて総毛立つと言うか、聴いてて感情を揺さぶられるようなものがいいですね。

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