第7評 亡国の誕生~九重智~

作品名:亡国の誕生

https://kakuyomu.jp/works/16817330667122139614

作者:九重智

https://kakuyomu.jp/users/kukuku3104




※注意

私は今まで、感想を書く機会がたくさんありました。オプチャや自主企画に参加した時はそれはそれは10~20作品以上感想を書いていたと思います。ただ、そこでの感想は人に嫌われないようにすることを気にするがあまり、本当の事を言えないというジレンマに囚われてしまったような気がします。良いところを探して言い、言い方は悪いですが、良くない部分は敢えて伏せる。そんなやり方に限界を感じてきたので、今回の企画を立ち上げました。何が言いたいのかといいますと、今回のレビューはかなり辛口です。しかし、作者さんを懲らしめようとか嫌がらせをしてやろうという気持ちは一切ありません。ただただ、純粋に読んで、私自身が感じたこと、もっとこうした方が良くなると思うことを列挙しています。ただ、何度もお伝えしている通り、私はプロでも何でもないですし、私の意見が全てだとは微塵も思っていません。なので、あまり真に受けずに、こういう人もいるんだなぁと思っていただけると幸いです。




●1話

文章表現が非常に美しく的確で、見習うべきところが多いと感じました。1話は武雄の目的が明かされて面白いと感じました。使用人のアキラを助けたいという武雄なりの優しさでしょうかね。気になったところがいくつかあります。冒頭に「その夜も、例のごとく~」とありましたが、私たち読者にとっては例のごとくと当然のように言われても、何のこと?となってしまいます。1話では登場人物について我々も良く知らないので、この書き出しでは適切ではないと感じてしまいました。あと曾祖父とお祖父様のところは読みずらいのでルビを振ったほうがいいと思います。武雄と早苗の言い合いのところで、「あら、テニスコートを~」のくだりが良く分かりません。お祖父様の方がすることの規模が大きいから好ましいという意味でしょうか。「市原家らしい~」とありますが、我々読者は市原家を知らないので、何をもって冷徹、無感情がらしさを表しているか分かりません。その辺をもうちょっと解説された方がいいと思います。「息子らしいことをするなとは、口が裂けても言えなかったのである。」とありますが、これがどういったことを指して言っているのか、自分の理解力不足で全然わかりませんでした。よければ、ご解説していただけると有難いです。




●2話

2話は歴史的な背景が語られました。この物語は現実世界にある国のオマージュだと思います。アジアがエイジアになっていたり、ヨーロッパがエーロッパになっていたりして、面白かったです。多分陽国の元は日本だと思うけど、ゼンビアの元がどこかは分かりませんでした(笑)震災や飢饉の際の米提供もアレが元ネタですよね?色々な発見があって面白かったです。冒頭でゼンビア国と陽国の説明がありましたが、この陽国の説明を1話の時点でもっとされた方がいいと思います。その方が2話冒頭の取っ掛かりも良くなると思います。また、1話の中で語るには少し難しい内容かつ情報量が多い気がします。近況ノートか一節の間でもいいので、情報を整理する回を設けたほうがいいと思います。歴史なら年表を作ったり、世界地図の画像を近況ノートに張ったりとかですかね。




●3話

冒頭の文章表現がすごく上手で、質が高く練り上げられているように感じました。主人公の感情の起伏や人物描写も思わず見入ってしまうほど上手で、読めば読むほどこの小説の魅力に引き込まれるように感じました。早苗は武雄のことをひいおじいちゃん子と言っていましたが、それが一方的な関係だと知って驚きました。また、出会ったころの武雄とアキラの関係がリアリティに富んでいて面白かったです。




●総評

1~3話を通した感想を申し上げますと非常に面白く、文章表現は卓越していてプロの小説家のように感じました。1話で主人公の目的が知れたのも大きいです。ただ、私の理解力不足のせいか1話は少し分からない部分ができてしまったので、可能であればご解説していただきたいです。また、2話は少し情報過多に感じたので、読者をおいてきぼりにしないような対策は必要だと思います。それ以外は私から特に申し上げることはございません。今回は企画参加本当にありがとうございました。




◆◇以後作者さんインタビューです。◇◆




1.簡単にあなたの事を教えてください。


――大谷翔平から身長と筋肉と顔立ちの良さと野球とストイックさを引き、その代わりに七つの大罪を存分に加えたような二十代男性です。子どものころは「アメリカ、ブラジル、ナマケモノ」という謎の呪文を口癖にしていました。




2.カクヨムを利用し始めたきっかけは?


――自分が一体何を書けるのか気になり、せっかく書くのならと、web小説を投稿できる大手ということでカクヨムを選びました。





3.小説を書くことにおいて、どういった部分に魅力を感じるか?


――書きながら自分がわからなくなり、その繰り返しのなかで自分が自分を発見できることです。




4.あなたがこれまで読んできた小説の中で、最も影響を受けた作品を教えてください。


――三島由紀夫の『豊饒の海』四部作、とくに『天人五衰』です。文章、構成、世界観、思想、そのすべてにおいて一種の完成された作品、これ以上ない作品に出会った気がしました。




5.小説を書く上で最も大切だと感じることは?


――人を可能な限り描き切ろうとする姿勢だと思います。




6.あなたの作品に登場するキャラのこだわりを教えてください。


――どういう登場人物にも、共感とはいかずとも理解されるような背景や考え方のベクトルを描けるように努めているつもりです。




7.あなたの作品の中で、読者に一番読んで欲しいシーンはどこですか?


――まだ投稿できていませんが、一章の最後と二章の序盤あたりに一応の盛り上がりを設けるつもりです。まだ当分先になりそうですが。




8.将来的にカクコンなどで賞を取ることを目指していますか?また、あなたは小説家を志望してますか?


――回答が前後しますが、小説家は志望しています。しかしそのためのカクコン受賞に関しては「まあ、できたらいいけどねえ」という感じです。そのわりに賞金やら印税であれしたい、これしたい、サイン会があったらなどと妄想したりします。妄想が済めば「だったらちゃんと書けよ」と説教タイムがはじまります。妄想と説教で一時間です。時間の無駄です。




9.もし、あなたの小説がアニメ化、映画化されるとしたら、主題歌は誰に歌って貰いたいですか?差し支えなければ、主人公やその他キャラの声優さんを誰にしたいかもお聞きしたいです。


――(失礼を重々承知で)主題歌はAimerさんに歌ってほしいです。ガンダムUCの『RE. I AM』のような感じで。アニメ化なら、今はもう難しいですが、『銀河英雄伝説』の旧アニメの声優陣、主人公武雄は堀川りょうさん、アキラは広中雅志さんに担当させてもらったら、一日中部屋で泣きながら小躍りします。

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