第4評 バックマスキング~BISMARC~

作品名:バックマスキング

https://kakuyomu.jp/works/16817330660332667165

作者:BISMARC

https://kakuyomu.jp/users/bismarc




※注意

私は今まで、感想を書く機会がたくさんありました。オプチャや自主企画に参加した時はそれはそれは10~20作品以上感想を書いていたと思います。ただ、そこでの感想は人に嫌われないようにすることを気にするがあまり、本当の事を言えないというジレンマに囚われてしまったような気がします。良いところを探して言い、言い方は悪いですが、良くない部分は敢えて伏せる。そんなやり方に限界を感じてきたので、今回の企画を立ち上げました。何が言いたいのかといいますと、今回のレビューはかなり辛口です。しかし、作者さんを懲らしめようとか嫌がらせをしてやろうという気持ちは一切ありません。ただただ、純粋に読んで、私自身が感じたこと、もっとこうした方が良くなると思うことを列挙しています。ただ、何度もお伝えしている通り、私はプロでも何でもないですし、私の意見が全てだとは微塵も思っていません。なので、あまり真に受けずに、こういう人もいるんだなぁと思っていただけると幸いです。




●1話

まずこの話を読ませていただいて、一番に感じたことは登場人物やその背景の説明が少ないというところです。1話からいきなり芸能事務所?らしき所から物語は始まっていました。そのシーンを見て私はしばらくの間情報を読み取ることができませんでした。1話を最後まで読んでようやく主人公の事や事件の詳細、会話している人の立場を読み解くことができました。私の読解力の問題かもしれませんが、このように1話で混乱してしまうと、ブラウザバックしてしまう人の割合が多くなるのではないかと感じました。なので、物語を始める際は、登場人物やその経歴、人間関係を丁寧に説明した方がいいと思います。あと今どこにいるかの場所の説明も。内容がミステリーなだけにその辺はしっかりやった方がいいと思いました。また、時系列は、この芸能事務所?での会話よりも、もっと前から始めた方が良いと感じました。あと話の展開が後半に進むにつれて、現時点から過去へと逆行しているように見えました。ちょっとこれは個人的に好ましくないと思います。先に主人公の説明、家族や兄との関係を書いて、その次に主人公の所属先を、最後にこんな事件が起きて今こんな状態ですみたいな感じでやっていった方が情報も多く取れて、混乱しなくて済むと思いました。人物の説明や主人公の思考は分かりやすくて好きでした。会話も自然で、ドラマのようでした。




●2話

2話は個人的に好印象です。警察と探偵事務所の違いや民事不介入の原則、行方不明者届と捜索願の用語説明、特異行方不明者、一般行方不明者、失踪事件における24~72時間後の生存率などテレビや漫画で耳にしたことはあるものの、知識が曖昧になっていたものが補完されて学びが深まりました。あと、探偵事務所のリアルな感じを見れたのもよかったです。某探偵アニメを見慣れているせいか、いささかこっちの方が現実味があって良かったです。佐川の証言から明かされるメンバー同士の確執、そして最後に登場した謎の女性が不穏な空気を漂わせており、物語が一気に動き出す雰囲気を感じました。




●3話

音楽業界の仕組みが分かってなるほどとなった回でした。メジャーデビューは必ずしもバンドメンバー全員にとって有利に働く訳ではなく、社長やプロデューサーの打ち出す計画によっては特定の個人のみ恩恵を受け、その他全員は不利益を被ることがあるのだと学びました。また今の大手事務所とSNSが普及した情報社会との相違点も述べられており、面白かったです。このメジャーデビューを巡るメンバー同士の確執が泥沼化している可能性もありますし、色々な展開を想像させられました。また、主人公が顧客マニュアルを遵守する堅実さと探偵として名を残すためにこの事件を解決したいという野望が見え隠れして、兄に対する劣等感を拭いたいという心情が見えました。




●総評

法律や芸能事務所(この場合はレーベル?)について詳しく調べられており、作者さんの努力が感じられました。ミステリーを楽しむだけでなく、こういった雑学的な要素があるおかげで知見が深まったと感じました。文章も違和感なく、キャラクター同士の会話も自然で良質なドラマを観ている気分になりました。2話、3話が良かったからこそ、1話の出だしが悔やまれます。せっかく面白くなり始めたのに、1話でブラウザバックされてしまっては、意味がありません。1話の役割は読者にインパクトを与え、続きを読んでもらうことにあるのと同時にこの物語の目的と今の状況を可能な限り説明する場所だと自分は考えています。なので出きるならば、1話の時系列をご再考していただく(要はどこから始めるかということ)のと登場人物の情報や背後関係、経歴、今いる場所などを詳しく説明して欲しいです。また細かいことになりますが、小説の説明欄(あらすじ)はもっと読者を煽る感じで書くと良くなると感じました。




◆◇以後作者さんインタビューです◇◆




1.簡単にあなたの事を教えてください。


――子供の頃から図書館の住人でした。




2.カクヨムを利用し始めたきっかけは?


――どこかで見たから。どこだったかは…。




3.小説を書くことにおいて、どういった部分に魅力を感じるか?


――自分でも想定していなかった裏設定に気づく瞬間。




4.あなたがこれまで読んできた小説の中で、最も影響を受けた作品を教えてください。


――カラマーゾフの兄弟




5.小説を書く上で最も大切だと感じることは?


――読者視点で分かり難さを排除すること。




6.あなたの作品に登場するキャラのこだわりを教えてください。


――リアルであること。




7.あなたの作品の中で、読者に一番読んで欲しいシーンはどこですか?


――できれば全部です…。一応、ミステリなので、飛ばし読みだとわけ分からないかと。




8.将来的にカクコンなどで賞を取ることを目指していますか?また、あなたは小説家を志望してますか?


――取れたらいいな、なれたらいいな。




9.もし、あなたの小説がアニメ化、映画化されるとしたら、主題歌は誰に歌って貰いたいですか?差し支えなければ、主人公やその他キャラの声優さんを誰にしたいかもお聞きしたいです。


――森川帝王。言うだけならタダなのでw

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