ニラカナのさくっと小説review!

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第一回目 2023年度冬季開催

第1評 雪の結晶が織りなす、「京都花街の恋物語」~神崎 小太郎~

作品名:雪の結晶が織りなす、「京都花街の恋物語」

https://kakuyomu.jp/works/16817330664616350275

作者:神崎 小太郎

https://kakuyomu.jp/users/yoshi1449




※注意

私は今まで、感想を書く機会がたくさんありました。オプチャや自主企画に参加した時はそれはそれは10~20作品以上感想を書いていたと思います。ただ、そこでの感想は人に嫌われないようにすることを気にするがあまり、本当の事を言えないというジレンマに囚われてしまったような気がします。良いところを探して言い、言い方は悪いですが、良くない部分は敢えて伏せる。そんなやり方に限界を感じてきたので、今回の企画を立ち上げました。何が言いたいのかといいますと、今回のレビューはかなり辛口です。しかし、作者さんを懲らしめようとか嫌がらせをしてやろうという気持ちは一切ありません。ただただ、純粋に読んで、私自身が感じたこと、もっとこうした方が良くなると思うことを列挙しています。ただ、何度もお伝えしている通り、私はプロでも何でもないですし、私の意見が全てだとは微塵も思っていません。なので、あまり真に受けずに、こういう人もいるんだなぁと思っていただけると幸いです。




●1話

導入の部分はこれ以上ない入り方だと思います。四季折々の変化が読者の共感を得やすいように書かれており、主人公の視点から見た京都という街の美しさが丁寧に描写されていて、いいと思いました。気になったのは、「神々が好むのは、冬の白銀の世界だという」のと「僕はずっとそう信じてる」という表現です。個人的にこれは≠の気がします。伝承あるいは主人公が見聞きしたことなのか、主人公がそう願って信じていることなのか、どちらであるのかは自分には分かりませんでした。あと「木枯らしに抱かれる源氏物語」という表現がよく分からなかったです。その次に天使が出てきているのですが、京都という日本の街を描写するなら、外国のキリスト教の天使を使って表現するのは、個人的には合わないんじゃないかと思いました。もっと日本発祥の美しいものに情景を重ね合わせた方が、主人公の京都愛に深みが出ると思いました。全体的に文章表現は美しく、優美なのもであると感じました。読む者を引けつけるその卓越した技巧に感動しました。




●2話

これも話の導入部分は好感触でした。「美しい冬の景色」という表現に対して「人々の心は冷えきる」という表現が対になっていて綺麗だと思いましたが、同級生の説明に違和感を感じました。まず、でも~から文が始まったのが気になったのと、自信満々と人を見下すが同時に混在していてよく分からなかったです。両者は全く別物だと思うので、自信満々は別にいらない表現かなと思いました。次にひとりぼっちになった主人公がカメラに魅了されている様子が伝わってきました。具体的な京都の地名とともに夏の風物詩が冬には様変わりする、それが今の主人公の状況と似ていて親近感がわくという一連の流れが綺麗だと思いました。しかし、次の「木枯らしに抱かれて、恋人たちが熱く抱き合う」と「彼らは隣同士で見えない壁を作っていた」がよく分かりませんでした。私の想像力が欠如しているだけかもしれませんが、ご容赦下さい。寂しさを感じた主人公が逃げ込むように漫画喫茶に入る展開は興味を引かれました。「ほのかな灯りが漏れていた」という文から辺りが結構暗くなってきたんだなということが読み取れました。そこから気になる主人公が読んでる漫画の内容が公開され、これが今後の展開に繋がる伏線になりそうな気がして面白いと思いました。でも、「魔界の雰囲気に浸っていた」というのがよく分かりませんでした。次の先斗町の路地のシーンで「夢のような被写体」という表現があったのですが、これ自分は心を掴まれました。主人公のカメラ愛が伝わってきていいと思いました。最後に主人公がシャッターを切った見習いの舞妓さん。何だか不思議な魅力があるみたいで、ここから一気に物語が動き出しそうな雰囲気を感じました。




●3話

冒頭で京都のちょっとした豆知識を知れて興味深かったです。舞妓さんとの会話のシーンはエモくて個人的にかなり好きです。こういうシーンは需要があると思うので、どんどん増やしていってもらったらいいかなと感じました。舞妓さんに主人公がプロのカメラマンかどうか聞かれて、「ああまだ見習いだけどね」と言うと舞妓さんが「なら、うちとおんなじや」と返してくれたシーンはお洒落でした。その次に主人公が撮った舞妓さんの写真を見せた時に、舞妓さんが「暗い顔で不細工や」と自分のことを卑下したすぐ後に主人公の「これは不細工じゃないよ。とても可愛いよ」が来た方がいいと思いました。何とお伝えしたらいいのか、舞妓さんに見惚れるシーンが先に来ているので、ちょっと自分的には違和感を感じましたが、ここは感性の違いが出そうなので評価し難いです。最後の方は舞妓さん(あかね)の美しさが思い思いに綴られていて、いいと思いました。




●総評

文章表現は1~3話を通じて全体的に綺麗で、京都の艶やかな街並みとよくマッチしていて、個人的にはとても良かったと思います。導入も良く、主人公自身のことや置かれている境遇もすぐに理解することができました。ただ、所々気になる箇所がいくつかありました。感性の違いかも分かりませんが、自分は上記で述べたことが気になった次第です。レビューとしては以上になります。企画参加本当にありがとうございました。




◆◇以後、作者さんインタビューです。◇◆




1.簡単にあなたの事を教えてください。


――素人作家の気ままな風来坊です。




2.カクヨムを利用し始めたきっかけは?


――なろうに振られてやってきました。




3.小説を書くことにおいて、どういった部分に魅力を感じるか?


――流行り廃りに関係なく自分の世界観が描けること。




4.あなたがこれまで読んできた小説の中で、最も影響を受けた作品を教えてください。


――太宰治の『桜桃』




5.小説を書く上で最も大切だと感じることは?


――独自の世界観を描くこと。




6.あなたの作品に登場するキャラのこだわりを教えてください。


――人間は弱き儚きもの。でも、希望を捨てなければ、希望は叶えられる。




7.あなたの作品の中で、読者に一番読んで欲しいシーンはどこですか?


――主人公の熱き想い。




8.将来的にカクコンなどで賞を取ることを目指していますか?また、あなたは小説家を志望してますか?


――カクヨムコンでの受賞を目指しています。




9.もし、あなたの小説がアニメ化、映画化されるとしたら、主題歌は誰に歌って貰いたいですか?差し支えなければ、主人公やその他キャラの声優さんを誰にしたいかもお聞きしたいです。


――映画化された場合の主題歌は柴咲コウさん。主人公は黒島結菜さん。相手役は岡田准一さん。

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