あなたを嫌いな理由

砂月かの

あなたを嫌いな理由

第一印象は、暑苦しいだった。

次に、少しの遠慮を覚えるべきだと思った。

朝も早くから


「おっはよー」


元気一杯の光。

僕は眩しくて、眩しくて、あなたを直視できない。

ため息にもにて頭を垂れていたら、


「どうしたの? 元気ないじゃん」


って、キラキラ全開で昇ってくる。


「今から起きるの」


重たい頭を持ち上げながら、僕は上を向く。

顔を見せた僕に、あなたは嬉しそうにもっと輝く。


「そうそう、君は顔をあげたほうが可愛いよ」

「可愛くなくていいよ」

「じゃあ、元気いっぱいの方がいいね」


まあ、それは間違っていないけど、あなたのせいで焼けそうなんだよ。

柔らかい光から、差すような日差しに変わる。

僕は今日もあなたに焦がされる。

空を見上げたら、雲ひとつない青空。

今日も暑くなるなぁ、あなたのせいで。

暑い、暑い、僕の顔も体も焦げちゃうよ。

だから僕はあなたが嫌い。




「今日も頑張っちゃうよ」


空から降る元気なあなたの声。


「頑張らなくていいよ」


控えめな僕の独り言。

サンサンと降り注ぐあなたの光を浴びながら、僕は黄色い花びらを広げたまま、茶色い顔をして、高身長の首を折り「もう降参」と、項垂れた。

それは、夕暮れ間近のことだった。


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