第9話 会敵
「…っ…なんでウチの学校の前に鈴音ちゃんねるの鈴音が…与一とどういう関係…?」
「友達以上のヒミツな関係よね…♡」
秘密を共有しているナイトなだけに間違ってはいない。
「おいおいおいおい、与一ィィィィィイイ!!!!氷彩ちゃんだけじゃ飽き足らず。大人気Gotuberの鈴ちゃんにまで手を出してんのか」
「それじゃあ私達ぃ、行く所があるからまたね〜」
「…!?待って、与一。放課後の用事ってソイツと…?」
「あぁ」
僕と鈴音は野次馬を抜けて駅へと向かった。
「それで、なんでウチの制服を?」
僕は成立しなかった会話をもう一度蒸し返す。
「あー、今日転入して来たの。驚かせたくて黙っててごめんね?同じクラスが良かったんだけど。そんなに都合良くはいかなかったな〜残念…」
(このタイミングで面倒な事を…)
「…それで蟹の居る山は?」
「隣の市の山だね、電車で2〜30分ってとこかな」
成れ果てとの戦いに備えて道中に準備を整える。
「ついてこい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕と鈴音。そして兵隊は蟹の居る山に着いた。
「ここからが大変だよね〜。流石に動画からじゃ山のどこらへんに居るのかなんてわかんないし」
「そこは考えがある」
与一は兵隊8人を連れて山の入口に立つ
「この位置から扇状に真っ直ぐ200m地点まで進め。蟹を目視したら戻って来い。」
本来なら人海戦術でモノ探しをするならローラー作戦が1番だが。兵隊同士での連携が取れない以上多少の穴はあるが疑似ローラー…いや扇作戦が1番効率が良いだろう。
(そろそろか…)
「戻って来い!!!」
与一は声を張り上げて前線に居る斥候を呼び戻す
この作業を繰り返す事7回目。2時の方角に向かわせた兵隊が戻って来た。
「見つけた…」
成れ果ての蟹は山を流れる川のすぐ側に居た。
僕と鈴音の間に緊張が走る
(成れ果ての戦闘力は未知数。対する僕らは思考のない強化兵30と戦闘力皆無な僕と鈴音)
不確定要素を相手取る場合初手に畳み掛けるのが定石である。その点において相手を先に視認出来た事は僥倖と言える。成れ果てを囲むように強化兵の配置を終えると。与一は一呼吸間を置いて。
「「引っこ抜け」」
一斉に成れ果てに向かって強化兵が飛び出した
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