第3話 白と黒
(私は怒っている。憤っている。この気持ちを何かに例えるなら火山の大噴火だ)
帰り道を1人頬を膨らませながら帰る氷彩は先程の出来事に憤慨していた。
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『ねえねえ与一君でーとしよっ!』
『…だめ。与一は私と楽しく下校を満喫してる』
『あなたに拒否される意味がわかんなーい。ねえ与一君。色々聞きたい事あるんでしょ♡』
『…ごめん氷彩。今日は1人で帰ってくれ』
(…!p?pjmewhy?えっ)
『なんて?』
『だから1人で帰ってくれ』
『ふんっ!!!』
『痛っ!!!!』
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去り際に与一の足を思いっきり踏ん付けた氷彩はどこか誇らしげだった。
(それにしても…顔はよく見えなかったけど…声的に女…それもどこかで聞き覚えがある)
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「どこまで行く気?」
与一がこの謎の人物に下校中に怪しい誘い文句で付いてきたのには理由があった。
もちろんあの死後の世界のような夢が常に頭の片隅にあったからだ。
「この先に呆けギリギリのお爺さんがやってる渋い喫茶店があるからさ!そこではなそーよ!客もほとんどいないから!」
そうしてやってきたのはどうやって経営が成り立っているのか不思議な喫茶店だった。
(雰囲気は悪く無い)
「それd「てんちょー!わたしコーヒーブラックで!」
「…同じのを…」
注文を終えると騒々しいこの『でーと』相手はサングラスとマスクを外してこちらを見た。
「Gotubeの…」
「え!うれしー!知ってくれてるんだ!ふぁん?ふぁん?」
「いや…氷彩がよく観てる」
「ちぇーっ君は観てくれて無いのかよーっ」
「てわけで私は知っての通り鈴音ちゃんねるの
正体を明かした鈴音は艶のある黒髪ツインテールをフードから出した。
「…びっくりはしたけど…本題は変わらない。僕の名前を知ってた理由と還って来たって意味。聞かせろよ」
「ひ、み、ちゅ♡」
「帰る…」
「わーっ嘘嘘!冗談!帰んないでよーっ!」
「さっさと話せ…次はマジで帰る」
「もうっ…せっかちだなぁ」
一呼吸置いて真っ直ぐこちらを見つめた彼女は
「私も生還者なんだよ」
一言で僕の日常をひっくり返してコーヒーを啜る。
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