デス・まんじゅう

転がるハムスター

デスまんじゅう

「ピイッ‥ピッ‥」

天井から彼らの鳴き声が聞こえてきた。

「とうとうここにも来たのか‥。」

「ああ‥もう終わりだ。」

「まだ死にたくないよ‥‥。」

皆、暗い表情を浮かべながら絶望の言葉を吐いた。

『デス・まんじゅう』は正体不明の生物だ。彼らは獲物に張り付き皮膚を食い破ると体内に大量の卵を植え付ける。そして卵はすぐに孵化し獲物を内側から喰い尽くす。皆、持っている知識をフル活用して必死に助かる方法を考える。

彼らは異常に素早い上にまるで鋼鉄のような硬い外皮で覆われているため、まず駆除は困難だろう。

どうすればいいのか全員で必死に考えるが中々良い考えが浮かばない。

「まあもう考える必要もないか‥。」

デス・まんじゅうに張り付かれ、体内を食い破られている最中の誰かがそう呟いた。彼が虚ろな目で周囲を見ると、そこにはさっきまで必死に考えを巡らせていた仲間達の死体が転がっていた。

そして数年後、地球上の生物は全てデス・まんじゅうに食い尽くされた。獲物がいなくなったデス・まんじゅうは次の獲物を求めて宇宙空間へと旅立って行った。










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