第161話 シンプソンダンジョン終息戦・南口②
「ソレソレソレソレーーー!! 邪教巫女! どんどんモンスターを近くに来させて! 全部纏めて蜂の巣だあーーー!!」
今の真白は凄く荒れている。
邪教巫女に態々モンスターの群れを近づけさせ、重機関銃で撃ち倒すほどに。
それもこれも、不滅巨人が結界装置を壊したのが原因である。
「ソレーーー! 私のミニガンが火を吹くよおーー!!」
完全に八つ当たりである。
しかし、そのおかげでモンスターの上層と中層は全て片付き、残りは下層モンスターだけになった。
「ソレーーー………………弾切れか」
ガトリング砲の弾が切れた。
「ふぅー……頭に血がのぼり過ぎた。少し落ち着こう」
真白も八つ当たりでモンスターを倒している事に自覚はあったため、頭を落ち着かせる。
すると、再び入口から何かが出て来る気配を真白は感じた。
「……このモンスター、大体下層クラスのボスかな。多分これで終わりだね」
終わりが見えてきた真白は弾切れになったミニガンからスナイパーライフルに変えた。
そして、下層のボスモンスターが姿を現した。
『ガァアアアアーーー!』
「……………あれは、59階層の階層ボスの大亀のモンスターだね。確か【再生】持ちだったはず」
真白は一昨日の作戦会議の時に見た資料で確認したボスだと思い出した。【再生】持ちのモンスターは珍しいため、特に覚えていた。
「【再生】は厄介だけど、邪教巫女が居るなら楽だね。……
真白も【再生】持ちのモンスターを倒す事は出来るが、ただ少し時間が掛かるのが面倒という理由であまり戦いたがらない。
「邪教巫女、合図したら杭を打って」
『(コク)』(シャン!)
「それじゃあまず、残りのモンスターをあの大亀をお襲い掛からせて」
『(コク)』(シャン!)
邪教巫女は、まだ残っているモンスターたちを大亀を襲う様に操る。
大亀も抵抗するが、数が多過ぎて苦戦している。
だが、モンスターたちは邪教巫女により、同士討ちをして疲弊している。その為、傷は少なく、返り討ちにする事が出来た。
大亀はモンスターたちを次々と倒していき、始めは100以上居たのがもう20も居ない。
しかし、これは真白の計画通りだ。
「邪教巫女、【瘴乱舞踊】はもういい。次の準備して」
『(コク)』(シャン!)
邪教巫女は舞を止める。
そして、今度は真白が動き出す。
「纏めて爆ぜろ」(カチッ)
真白が引き金を引く。
ドォオオオーーー!!
大亀やモンスターの居る所から大きな爆発音が響く。
「弾の節約になったよ。……【火魔法】の『エクスプロージョン』を付与した弾丸だけど。…ちょっと強すぎたかな?」
今の弾丸は真白お手製の『爆裂弾』だ。
その弾丸は、着弾した所を中心に大爆発を起こす。
そして、その一撃で、大亀以外のモンスターは全て跡形も無く吹き飛び、残りは大亀のみとなった。
「甲羅に籠って身を守ったか。予想通りだね。それじゃあ、遠慮なくいくよ」
カチッ———— ドォオオオーーー!!
カチッ———— ドォオオオーーー!!
カチッ———— ドォオオオーーー!!
カチッ———— ドォオオオーーー!!
真白は甲羅に『爆裂弾』を撃ち続ける。
そして、十発を超えたあたりで、大亀の甲羅が割れる。
『ガァアーーー!!』
甲羅が割れた事によって、身体が無防備になり、火傷や傷が出来る。
だが、大亀には【再生】のスキルが有る。その為、魔力を使い甲羅を再生して元の状態に戻る。
しかし、それが真白の狙いだった。
「今だよ、邪教巫女! 【封技の呪杭】!」
シャラァーーーン!!!
邪教巫女は神楽鈴を両手で持ち、頭の上から膝下まで振り落とす。
すると、いつの間にか、大亀の上に瘴気で出来た大きな杭が、大亀に打ち付けられる。
『!?……ガァア!?』
しかし、大亀は痛みどころか傷も無く驚いてる。
だが、それよりも驚いたのが、【再生】が使えない事だ。
邪教巫女のスキル【封技の呪杭】は対象が最後に使ったスキルを封じるスキルだ。
これをくらったら、邪教巫女を倒さない限り封じられたスキルは使えない。
「ふぅっ。……計画通り」
真白は不敵に笑いながら某アニメの天才キャラのセリフを言う。
「それじゃあ、さよなら」
カチッ———— ドォオオオーーー!!
無防備の身体に『爆裂弾』を撃たれ、大亀は倒れた。
「ありがとう、邪教巫女。もう戻って…封印」
邪教巫女を水晶に戻す真白。
時間にして約一時間。南口の戦闘は終了した。
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