第146話 作業開始
「とりあえず、白ちゃんは何を作るんだい?」
「まず、今回参加する探索者の人数分の状態異常耐性を付与したアイテムの量産からします。効果は数段落ちますが、中から大くらいになると思います」
「それでも十分だと思うがな。……戦力は殆どが西口だから麻痺と睡眠の状態異常耐性が殆どか」
今回は真白とレオ以外の探索者は全員西口方面に集中しているため状態異常耐性付与のアイテムはほぼ全て麻痺と睡眠だろう。
「はい。それと中層以降のモンスターも氾濫すると思うので、石化耐性のアイテムも並行して作るつもりです」
「分かった。あと、耐性の効果は中までにした方がいい。白ちゃんの作ったアイテムってだけでプレミアがつくからな。あまり高いと今後色々とありそうだ」
「分かりました」
龍也が何か含みのある言い方で真白に言う。真白も龍也の考えを理解したのか素直に応える。
「あと、白ちゃんは状態異常耐性のアイテムの作業が終わったら、自分の作業をしてくれ。ポーションやその他のアイテム作りは俺達の方でする」
「いいんですか?」
「勿論だ。白ちゃんにばっか負担を掛けさせる訳にはいかないからな」
「でも、自分で言うのもなんですが、私の方が効果と品質は良いですよ」
「確かにそうだが、ここは大人にかっこつけさせてくれ。なんだったら、『魔剣王』が戦いやすくなるアイテムを作ってやったらどうだ。一人で大群を相手にする大変さは白ちゃんがよく知ってるだろ」
「分かりました。では、お願いします」
真白は龍也の言葉に甘える事にした。
しかし、本当はレオの件で、まだ極々一部が批判的な者が居るため、その者達から身を守るためである。
「それじゃあ私は作業に入ります。何かあれば外の呼び出しボタンを押してください」
「おう。それじゃあ、俺たちは行こうぜ」
「そうね。それじゃあましろちゃん、無理はしないでね」
「そちらも何かあったら来てくれ」
「真白ちゃーん。今度僕にも〜色々見せて〜」
「真白、私も見せてくれる」
こうして、真白は自分の作業にはいるのだった。
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