第141話 似た者同士
「改めて、自国の探索者が貴国の探索者に無茶苦茶な作戦案を出した事に深くお詫びします」
「『その件については先程謝罪して頂いたのでもう気にしていません。…それと、今は公の場ではないので堅苦しい言葉はやめましょう』」
「そうですか。では、この場ではそうしましょう」
「『ええ。それと、作戦案についてもう決まってしまったので、全く気にしていません。むしろそこの馬鹿な従兄弟が余計場を乱していたので、此方にも否が有りますし』」
ソフィーがレオに悪態をつく。
「カーティス会長って、アンダーソンさんの従姉妹だったんですか」
「『ああ、4つ下の従姉妹だ。…カーティスの姓は叔母の嫁いだ家のだ』」
「そうなんですね」
「『アイツは昔から気が強いし目つきが悪いから、怒ると歳上でもビビる奴多いんだよ』」
「『レオ君。…貴方はどうやら反省してないようね』」
「『…ソンナコトナイヨ』」
ソフィーに睨まれたレオは片言で否定する。それに、レオも頭に血が登ったとはいえ、アレはやり過ぎたと思っている。
「そういえば白岩さん…君も珍しく強気で話していた様だな。刺激した事言っていないだろうな」
「多分大丈夫だと思います。…けど! 例え言ったとしても…私は反省も後悔もしません!」
「せめて反省くらいはしてくれ……」
真白の清々しい発言に桐島だけでなく相良も頭を抱えた。龍也はケラケラ笑っている。
「『桐島会長……貴方も相当苦労している様ですね……』」
「えぇ……彼女、普段の態度と見た目はもの静かでお淑やかに思えますが、本性は自重を知らず、目的の為なら何でもする頭のイカれた性格です」
「「『………はぁ〜』」」
桐島とソフィーは同種の溜め息をつく。お互い全く同じ苦労をしているからこそだ。
「『白岩真白。君も相当やらかしてるみたいだな』」
「真白でいいですよ。アンダーソンさんこそ、普段何をやらかしてるんですか?」
「『最近一番怒られたのはB級ダンジョンのスタンピードの氾濫の時に手っ取り早く終わらせたいから、俺の全力の一撃でモンスターを一掃したらスタンピードよりも被害が大きくなった事かな。あの時は建物や道路などが半壊してしまったぜ』」
「私はS級ダンジョンをソロで完全攻略した事ですね」
真白とレオもお互い似た者同士で何か通じ合うものがあるのかもしれない。
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