第137話 シンプソンダンジョンの特徴
まさか、突然入って来たのが同じSSSランク探索者で真白は少し驚いた。けど、よくよく考えたら、こんな大事な作戦会議にSSSランク探索者が参加してない事が可笑しい。
「『……………へぇ〜。……『魔女』から聞いてはいたけど…マジでヤバい強さだ。本当に底が見えない』」
「…………………………………………………」
レオは真白から強者特有のオーラを感じた。しかし、現最強とも言われているレオでも、真白の強さの奥底を見えない様だ。
対する真白もレオから感じるオーラを感じているが、ルーシーの時よりもデカく密度の濃い物だった。
「『レオ…時間が無いんだから、挨拶は後にして、さっさとダンジョンの説明と状況報告をしてちょうだい』」
「『そんな急かさなくてもいいじゃないかソフィー———』」
「『(ギロッ!)』」
「『———…会長』」
レオとソフィーのやり取りを見て真白が一番に思い浮かんだことは、「あ、これ私と会長さんと同じ感じだ」と思った。こうして客観的に見てみると会長は苦労している。真白も桐島に相当苦労させているのだと改めて思った。
「『え〜……まず、ダンジョンの様子から言いますが、現状ではまだ氾濫は起きそうに無いです。観測係のデータを見ても二日程猶予は有ると思います。だからそれぞれの入り口の結界も現状維持でなんとかなります』」
レオの報告を聞き、会議室全体は少し安堵する。取り敢えず、僅かだが猶予がある分良いのだろう。
しかし、真白には気になるワードがあった。それは『それぞれの入り口』と言うワードだ。
「あの、今回のスタンピードはシンプソンダンジョン一つですよね? 『それぞれの入り口』と言ってましたが、どういうことですか?」
真白は疑問に思ったことを質問した。
ダンジョンの入り口は普通一つなのだが、今のレオの言い方だと複数ある事になる。
「『あぁ…実はシンプソンダンジョンの入り口は4つあるんだ』」
シンプソンダンジョンは普通と違い入り口が4つもあるようだ。
しかし、それならそれぞれ違うダンジョン名になる筈なのだが、どうして同じダンジョン扱いになっているのかと真白の疑問にレオが説明を続ける。
「『まず、シンプソンダンジョンの特徴は4つの入り口それぞれが上層まで孤立していて中層以下から一つの階層になるんだ。そして、それぞれ北口、東口、南口、西口と呼んでいて、入り口は20キロ以上離れてる』」
どうやらシンプソンダンジョンは東西南北の4つに分かれていて、それぞれかなりの距離を離れているらしい。
「なるほど……確かにそれだと、このダンジョンからモンスターが氾濫したら戦力は分散することになりますし終息は大変ですね。…氾濫する前にダンジョン内のモンスターを倒して氾濫を防ぐのことは考え無かったんですか?」
「『魔力異常は観測出来た範囲では少なくとも下層からだ。幾ら人員は多いとはいえS級ダンジョン内のモンスター掃討は時間が掛かり過ぎるから難しい。その為氾濫したモンスターを一掃する話しで進めている』」
レオの説明を受け、真白は納得した。確かに魔力異常で魔素濃度が濃くなりモンスターが暴走状態な為ダンジョン内よりも魔素濃度の薄い地上ならある程度までモンスターは落ち着くから対処しやすい。
「『それと、このダンジョンは主に状態異常攻撃をしてくるモンスターでそれぞれの入り口のモンスターは異なる攻撃をしてくる』」
また、シンプソンダンジョンのモンスターは状態異常攻撃をしてくるらしい。
「4つの違いは何ですか?」
「『東口が『毒』と『病』、西口が『麻痺』と『睡眠』、南口が『魅了』と『混乱』、北口が『恐怖』と『発狂』になっている。『石化』に関しては中層以降だ』」
「……なるほど」
それぞれ、厄介な組み合わせに、シンプソンダンジョンは思った以上に大変そうだと真白は思った。
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