第134話  現地到着

「白岩さん、協力感謝する」


 場所は探索者協会の会長の執務室。


「こんな状況です。それに、今回は非常に危険な緊急事態じゃないですか。当然依頼は受けますよ」


 探索者協会は真白に戦うか支援かの選択を問たが、真白は初めから戦うつもりだった様だ。


「それに、今回はS級ダンジョンのスタンピードです。被害は当然大規模ですよね」

「感謝する。…本当はこういうのは大人の仕事なんだが……」

「いいえ、私もSSSランク探索者としての責務を全うします」


 真白はSSSランクになった時からこういう依頼になった時に既に覚悟は出来ている。未成年だからと安全圏から事を見ているつもりは無い。

 それに、真白は以前、短時間でSS級ダンジョンをほぼ単独で終息させた実績がある。協会としてはどうしても欲しい戦力だ。


「では、早速で悪いが、準備を済ませ次第こちらが手配したジェット機で現場に向かってもらいたい。あっちの国の探索者協会の方には連絡をしておく。私も後から現場で合流する。幸いまだダンジョンのモンスターの氾濫は起きていないらしい」

「分かりました」

「付き添いで佐藤も同行させる。今後こういう事があると思うから、できれば彼女を専属の付き添い人にしたい。まぁその辺の話しはこの件が終わってからしよう」

「はい」

「では、よろしく頼む」


 そして、真白は準備をする為に探索者協会を後にした。


 ————————


 真白は現在、ジェット機に乗っている。日本を飛びだってから既に約四時間が経った。


「そろそろ目的地近くに到着します。着陸するので衝撃に備えてください」


 そして、そろそろ目的地のダンジョンの近くに着く。どうやら真白が乗ってるジェット機の速度はかなり速いらしい。まあ緊急事の移動に使うのだから当然だ。


 ビュウウウーーー!! ゴトン! ゴトン!


「到着しました」


 着陸した場所はオーストラリアのシンプソン砂漠だ。

 シンプソン砂漠はオーストラリアの中央部の位置あり、ノーザンテリトリー、南オーストラリア州、クィーンズランド州をまたいでいる砂漠だ。

 そして、今真白がいる所はシンプソン砂漠のノーザンテリトリー側であり、砂漠から一番近い都市や街は、車で大体4、5時間くらい離れているアリススプリングスだ。


「『ようこそお越しくださいました。白岩真白様』」

「初めまして、白岩真白です」


 ジェット機を降りると数名の現地の人が挨拶してきた。見た感じ、この国の探索者協会の人で、真白を迎えに来た様だ。


「白岩真白様、あちらに送迎車があるようですので乗りましょう」

「はい」


 真白は現地の人に軽く挨拶するだけで、大半は佐藤に任せる事になった。そうすれば、真白は戦闘に集中出来るからである。

 そして、真白達は車に乗り込み、現場へと向かう。

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