第127話 球技大会①
あのハプニングから約半月が経った。
あの日から真白は輝夜と話しをする事はしばしばある。クラスの中心とも言える佳織が間に立ち仲を取り持つけれど、相変わらず返事は少し素っ気無い。しかし、輝夜はすっかりクラスに溶け込めた。
そして、今日は学年末試験前の行事の一、二年合同の球技大会中だ。
「ふぅ〜〜〜……」
球技大会は三日間掛けて行われ、初日は各種目全て第一試合で終わりだが、二日目からは四回戦までやり、最終日に準決勝、決勝を各種目一試合ずつ全生徒任意の観戦形式で行われる。
そして、今日の二日目の三回戦を終えた真白は一回戦から全てストレート勝ちをしている。去年の一学期の中間試験前でも、テニスシングルでもストレート勝ちで優勝してる為勉強だけでなく運動もお手のものだ。
「おめでとうございます。見事な勝利でした」
「……ありがとうございます」
試合を終えた真白のもとへ既に卓球ダブルスの三回戦を終えた輝夜が来た。
「……卓球…上手いですね」
「まあ、前の学校では部活は必須だったので、軽くやってましたから」
「……そうですか」
軽くと言っているが、真白から見ても輝夜は結構上手い部類に入る程の腕である。もしこの学校に卓球部があったならスカウトされていたに違いない。
「白岩さんも上手いですね! ここまで全てストレート勝ちじゃないですか!」
「………どうも」
真白の場合は日頃から鍛えている身体能力と集中力や判断力、知識や器用さなどがある為普通の人より上手いだけである。その他にも、個人戦の為遠慮なく自分のペースで出来るからである。
「あ、そろそろ次の試合行かないと」
「頑張ってください。…勝てば明日の試合も出れますね」
「はい! お互い頑張りましょう!」
「えぇ」
そう言って輝夜は四回戦の試合会場に向かった。
「……まだ時間あるし…確か佳織の四回戦がそろそろだったよね。応援に行くか」
真白は次の試合まで時間を潰す為佳織の応援へと向かう。
前の球技大会では準優勝だった為今回は気合いを入れているのだ。
真白のクラスは男子のサッカーは三回戦敗退で卓球のシングルは初戦敗退、ダブルスは現在対戦中だ。女子のバスケは四回戦進出、卓球はシングル、ダブルス両方とも四回戦進出だ。現在ダブルスは輝夜ともう一人のクラスメイトと試合してるので、結果次第では明日の準決勝進出だ。
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