第116話 困惑
神奈川県川崎市多摩区と東京都世田谷区を結ぶ東名高速道路付近に新たなダンジョンはあった。
「あれか」
真白は上空から目的地を目視で確認した。
そのダンジョンの入口近くに協会から派遣された人が数人いる。
真白はその人達の近くへと着地する。
「白岩真白様ですね。お待ちしておりました」
「ご苦労様です」
「さっそくご案内します。こちらです」
見た目はおっとりしたお姉さんみたいだが、口調は仕事の出来るキャリアウーマンの様な若い女性が挨拶もそこそこに直ぐにダンジョンまで案内する。真白としても、その方が良かった為気持ち的に楽だった。
「今回発見されたダンジョンがこちらになります」
案内された所には、自然に出来た洞窟の様な入口があった。発見されたばかりな為、まだ周りにはダンジョンを管理する為の受付や設備などは無い。けれどそこは協会の管轄の為真白には関係無い。
「では、私は調査の為潜ります」
「はい、お気をつけて。調査は主に最上層から中層までで大丈夫です」
「分かりました」
そして、真白はダンジョンに潜った。
————————
最上層:1階層
「…………………………………………………」
真白はダンジョンに足を踏み入れ直ぐに見たのは、のどかで大きな草原だった。
しかし、珍しい事ではない。むしろよくある光景だ。だが、普通のダンジョンとはちょっと違う光景が真白の目の前にあった。
『コケコッコー!』
『コーココココココココ!』
『コケーコココ!』
なんともまあ特徴的な鳴き声をするモンスター(動物)が居た。
「まんまニワトリじゃん」
そこには実物より一回りくらい大きいが、殆どニワトリと変わらない姿のモンスターが4〜6羽の群れを作って居た。
「ここ…ダンジョンだよね? …なんでニワトリが居るの? 可笑しいでしょ。…いや、それとも見た目がニワトリの姿をしたモンスターなのかな……」
取り敢えず、真白は時空間バックから自前のレイピアを取り出してからニワトリみたいなモンスターに近づく。もしモンスターなら、近づけば襲って来る筈だからだ。
『コッコ……‼︎ コケーココココココ!!!』
『コケーココココココーーー!!』
『コケーーーー!!』
ドコドコドコドコ!!
「…………………………………………………」
ニワトリもどきのモンスターは、襲って来るどころか颯爽と背を向けて逃げて行った。
追いかけようと思えば追える速さだが、真白は呆気に取られ追えなかった。
「……………え〜〜〜?」
こうして真白の調査は訳の分からないまま、始まった。
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