第114話  新年

『———さぁ、今年も残すところあと一分を切りました。————』


 12月31日、大晦日だ。

 テレビに流れてる生放送番組では、MCが番組進行をしている。


 ズズーッ! ズズッーッ!


 そんな中真白は、家のリビングでテレビを見ながら、緑色のカップにかき揚げが入った蕎麦のカップ麺を食べている。


「ふぅ〜……そろそろ年明けかあー」

「お姉ちゃん、食べるの早いよ」

「大丈夫だよこれくらい」


 真白は早々と食べ終えソファーの上で横になる。

 現在白岩家は、真白と紗奈の二人だけだ。

 両親はそれぞれ、会社の同僚や親しい友人と飲んでいる。


『————さぁ! 新年まで! 残り…5、4、3、 2、1…新年、あけまして、おめでとうございます!!』


 そして、大晦日から元旦になった。


「あけましておめでとう。紗奈」

「あけましておめでとう。お姉ちゃん!」


 姉妹仲良く新年の挨拶。これは毎年やっている為、白岩家では恒例行事みたいなものだ。


「さて、他の人にもメッセージ送ろう」


 真白はLINEで知り合い達にメールを送る。

 両親、佳織、美梨と真斗、『生産組合』の知り合いや『暁月の彗星』の翠と翔、そして相良と桐島に新年の挨拶のメールをした。


「これでヨシ!」


 メールを送った後、全員からメールが返ってきた。後はもう適当なところで寝ようと真白は考えてだが————


 ピロン!


 ————真白の携帯にメールがきた。確認してみると、相手は星歌だった。


星歌:『あけましておめでとう! ましろ! 

    今年もよろしく!!』

星歌:『ねぇねぇ! 初詣で行きましょう!

    かおりも誘って着物着て行きましょ

    う!』

星歌:『あ! そうだ、何で私にはメールくれ

    なかったの? お母さんには送って私

    はダメなの! 私悲しいーー!!』


「うっざ…………」


 唯一送らなかった星歌から大量のメッセージが送られてくる。それを見て心底嫌そうな顔をする真白。

 けれど、このまま放置すると永遠に続きそうだった為送る事にした。


真白:『あけおめ

    五月蝿い

    もう寝る

    メールするな』


 物凄く淡白なメールを送る。

 真白と星歌のこの関係は恐らくずっと続くだろう。真白からしたら、いい迷惑である。


 そして、自室のベットで横になった真白は、ふと、一年間を振り返る。

 高校生になった時はまだ普通の学生感覚だったが、7月から大きく変わった。

 たったの半年ぐらいなのにとても濃い経験や物事だった。

 しかし、真白のやる事は変わらない。


「さて、今年はどんなの作ろうかな。それに遠くのダンジョンに行くのもいいかな。……まぁまずは、メイド造りと佳織の特訓だね」


 真白は今年も生産活動とダンジョン探索で素材収集をする。いつものことだ。

 そして、睡魔がきて、真白は眠りについた。

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