第100話 文化祭⑥
真白達は今、各学年の教室がある東棟の廊下を歩いている。
ここまで沢山の人とすれ違ったが、誰も真白達に気づいた人はいない。
「このアイテムすごいね〜。全然気づかれないよ〜」
「まぁ真白が作った物ですから、アタシ達の想像以上の効果や性能なのは当然です」
美梨の感心の言葉に、佳織が相槌をする。
ここまで、殆ど美梨と佳織が並んで話して、真白と紗奈が二人の少し前を手を繋ぎながら歩いている。紗奈は完全にお祭り気分で楽しんでいる。
「これ、高校生の時に欲しかったな〜。色々と便利だったかも〜」
「生徒会の仕事のサボりにですか?」
「……ふっふっふ〜。さぁ〜どうでしょう〜」
笑って誤魔化す美梨だが、笑う前の言葉の間は、図星を突かれてできた間だ。
「さて〜、何処から行こうか〜?」
「お昼の食事は屋台は混むギリギリに行くのが良いと思います。今行くと荷物になって食べる時には冷めてしまいますし」
「そうね〜。私は賛成〜。真白ちゃんは〜?」
「私は何処でもいいので、お任せします」
真白と美梨はこの後の事は佳織に任せるようだ。
「紗奈ちゃん、何処の出し物に行ってみたい? 遊ぶところとかいっぱいあるよ」
佳織が紗奈に行きたい所を訊く。
「ん〜〜…あっ! お姉ちゃんのところの出し物に行きたい」
紗奈が真白のクラスの出し物(展示会)に行きたいと言う。妹としては、まず身内のところを観たいか、それともただの興味で言ったかのどちらかだろう。
「そう、なら最初はそこに行こっか」
「うん!」
こうして、真白達四人は、主に紗奈の行きたい所をメインに文化祭を回るのであった。
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今回短めにしました。
そろそろ文化祭回を終えて、主人公(真白)をダンジョン探索させようと思います。
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