第79話 死者軍の召喚術師
14:00になった為、真白は配信を開始する。
だが、コメント表示は戦闘に集中する為OFFにしている。
「ふぅ〜〜……」
一呼吸してから真白は大扉を開けた。
扉の奥は薄暗く瘴気で満ちている。普通ならこの中での戦闘は自殺行為だろう。
「【透明化】」
真白はレイドボスエリアに入る前に、奇襲対策として、装備の既存スキルの【透明化】で姿を消した。
暫く歩くと前方300m先に大きなモンスターの姿が目に映る。
全長はレイドボスにしては小さく5m程で、大きな杖を持ち黒いフード付きローブ着たリッチが居た。
⚫︎
スキル:【召喚術】【統率】【魔法耐性】
【闇魔法】【火魔法】【瘴気放出】
【魔法攻撃増加】【威圧】【呪術】
真白の鑑定したボスの名称とスキルを確認できた。
「うわー…よりにもよって召喚術師かあ〜。長期戦になりそう。…【威圧】【瘴気放出】はどうでもいいとして、また【呪術】かあ。それに【魔法耐性】があるから物理攻撃だよね。剣や槍みたいな接近戦の武器が良いけど。…近づく前に魔法で攻撃や牽制されるよね」
真白は鑑定の結果から、相手の戦法を大まかに予想する。
「使うならやっぱり『レールガン』だけど、相手は召喚術師だし、召喚したモンスターが面倒くさいなあ。……いっそ高火力爆弾をエリア全体に一斉爆破しようかな」
本当に見かけによらず物騒な事を考える真白である。
「……でも火炎魔法で相手の召喚したモンスターを焼き殺して道を作れば接近戦できるかも」
暫く考えた真白は頭の中で方針が決まった。
「よし、
作戦1:火炎魔法で敵を蹴散らしながら接近する
作戦2:エリア全体に高火力爆弾
作戦3:邪魂シリーズ
の順番で行こう。……できれば作戦1で終わってほしいなあ」
真白も長期戦は出来れば避けたい。だから作戦1で終わる事を願っている。
「……よし! ———」
真白が【透明化】を解き、
「———……
真白は戦闘に意識を集中した。
『! グゥァァ——』
ズバン‼︎ ズバン‼︎
『ァッグァ!!』
真白は相手が【威圧】するも容赦なく顔面に向けて二発のレールガンを撃った。
距離があった為杖で防がれたが、撃ち込んだと同時に真白は一気に距離を詰める。真白からしたら、300m程度装備の既存スキルの【縮地】を使えばものの7〜8秒あれば詰められる。
実はこれ、真白は一回の【縮地】で距離を詰めてる訳ではない。真白が一回の【縮地】で詰められる距離は20〜30mが限界だ。真白は【縮地】の着地点でまた【縮地】を発動することを何度か繰り返して距離を詰めている。スキルの発動のタイミングとコントロールが極めて難しい荒技だ。
『グゥウウウ……グァ⁉︎』
「先手必勝!!」
真白の手には見ただけで分かる程の超重量のハンマーが握られていて、真白はそれを空中で腰を使い遠心力をのせて相手の胸に叩き込んだ。
『グゥッアアアア!!』
真白の先手必勝の一撃で相手は後ろに軽く吹き飛び、地面に背を打ちつけた。かなりのダメージが入っただろう。
真白はすかさず攻撃しようと追撃掛けようとした。
『グゥッ…グァ!』
「ウォ……よっと!」
相手も追撃は許してくれず、【火魔法】の『ファイアーウォール』で動きを止められた。
『グァ!!』
「……あ、【呪術】使ったね」
ズバン‼︎ ズバン‼︎
【呪術】を使われた真白だが、真白のスキルの殆どは装備の既存スキルな為【呪術】の影響は受けず、その他のスキルも真白のバカデカい魔力量で抵抗できる為あまり効果は無い。
ズバン‼︎ ズバン‼︎ ズバン‼︎ ズバン‼︎
真白は絶え間なく撃ち込んでいく。流石に相手も鬱陶しくなったのか反撃に出た。
『グゥアアアアーーー!』
エリア全体に瘴気が広がった。どうやら【瘴気放出】を使ったみたいだ。だが、真白には全く効果は無い。すかさず攻撃を続けようとするが———
『グァ!』
「ウォ!」
———なんと、瘴気で薄暗くなったエリアで、【闇魔法】の『ダークランス』を放ってきた。それが絶え間無く放たれ真白は大きく後退することになった。
『グゥウウウ〜ウウウ〜グァ!』
そして、魔法陣の中から大量のアンデットが出てきた。ゾンビやスケルトン、グールやレイスと、おおよそ300くらいだろう。
「ここまで多いと、気持ち悪いね……でも、ここからがやっと本番ってことかな」
真白VS
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