第74話 調査 二日目(午後)
緊急会議を終えた真白は、再びダンジョンに潜り調査をしている。
結局、レイドボスは戦うかはすきにしていいとなった。だが、何か文句を言うアンチ対策として後ろ盾になる代わりに、生配信をする条件つきで。
取り敢えず、他に案が出ない為、桐島の案で暫く様子を見る事になった。
再びダンジョンに潜ってから一時間後———
「ふぅ〜……56階層はこれで終わりと……」
———56階層の調査と攻略を終えた。
「おっ! 当たりだ!」
56階層の階層ボスはどうやら『亡者の邪魂』をドロップしたらしい。完全にくじ引き感覚である。
「……しかし…アンデット系のモンスターの死体は残らないね……いや、元々死体だね。……残ったとしても、使い道は無いだろうなあ」
普段素材収集してる真白は、アンデット系のモンスターを倒して、そのまま残るかを何度も試しているが、全く成功しない。
「やっぱり、アンデット系のドロップで価値があるのは、魔石と極稀にドロップする武器くらいかなぁ」
ここまで攻略して来た真白は、死体を全回収することを諦めた。もしできたら、色々と研究しがいがあるが、現時点では無理と判断した。
「え〜と……今は14:13かぁ〜。……徐々に攻略速度が落ちてきてるね。取り敢えず、今日は60階層まで攻略しよう。……それに最後に確認したいこともあるし」
真白は今日は60階層までを攻略することを目標にして、次の階層へと向かう。それに、何か気になる事もあるようだ。
————————
青木ヶ原ダンジョン57階層
「……50階層辺りから思ってだけど、瘴気が徐々に濃くなってる。私は平気だけど、他の探索者は大変だろうなあ」
真白の言う通り、瘴気が濃くなればなる程攻略は困難になってくる。
瘴気は動植物に有害だ。一昔前はそれで多くの死者が出たらしい。
だから瘴気のあるダンジョンでは、神官系のジョブの探索者が、パーティが瘴気にやられないように、浄化の魔法や結果を展開しながら攻略するのがセオリーなのだが———
「……まぁ、私が知らないうちに取得していた【瘴気無効】はここでは大助かりだよね」
———そう、なんと真白は瘴気の影響を無くすスキル、【瘴気無効】を持っている。
だから真白は、どんなに瘴気が濃い場所だろうと、影響は全く無い。
因みにだが、本来ならスキルで【物理耐性】や【火炎耐性】などの『耐性系』のスキルは補助系スキルになるのだが、『無効系』のスキルは取得が非常に困難なスキルである為、特殊スキルに分類されている。
けれども、『無効系』スキルを取得している探索者は世界でも30人にも満たない人数しか居ない。まして、【瘴気無効】など世界中探しても、真白しか持っていないだろ。
「とにかく、調査と攻略を進めよう。この調子なら、六時から七時頃に通常のエリアと階層ボスエリアは攻略できるかな。……問題は…60階層のレイドボスかな………」
真白はさっきの緊急会議で、レイドボスと戦うかどうかを迷っている。本音を言えば、真白は戦ってみたいと思っている。60階層のレイドボスは、同じS級ダンジョンでも新宿の65階層のレイドボスよりも格下である。
だが、危険なのは変わりない。いくらSSSランクになったはいえ、自身の強さを過信する真白ではない。
「…う〜ん………取り敢えず今は60階層までを調査と攻略に集中しよう。レイドボスのことは後にしよう」
真白はレイドボスに挑むかは、後で考える事にして、まずは集中して60階層までを調査と攻略に専念する事にした。
「さてと、次、行こうかな」
こうして、真白は青木ヶ原ダンジョンをどんどん攻略していく。
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