第37話 防衛戦①
10,000PV突破!!
読者の皆様、本当にありがとうございます。
近況ノートにも書きましたが、予定を変更して、2話公開します!!
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会見後は、龍也の宣言で終わり。現地の探索者達は直ぐに防衛の準備を整え、結界を囲むように戦闘職が前線で警戒体制に入っている。
生産職も後方からの支援をする事になっているが、何故か龍也が前線にいる。
「あなたって…本当はバカなの? 真白じゃあるまいし、何故前線にいるの?」
翠がジト目をしながら龍也に言う。
「はっはっはっ! あんだけ堂々と宣言したんだ! なら、少しは役に立とうと思って!」
「あなたは生産職でしょ。しかも『生産組合』のトップが後ろで指揮を執らないでどうするのよ」
「俺がいなくても、俺ん所の幹部達が上手くやる。それに、生産職だって、やる時はやるんだぞ」
「……あなたも真白の様に頭がおかしくなったの?」
「はっはっはー! かもしれねーな!」
龍也は豪快に笑っているが、前線にいるのに何故か戦う格好をしていない。この様子は自立カメラで放送されている。見ている者は『やる気あるのか?』と、思うだろう。そんな龍也に翠が問う。
「あなた…一体どうやって戦うつもり? ここに来て足手纏いは困るわよ」
「大丈夫。…だって、コレがあるからな!」
「っ! そ、それ!!」
龍也が自分の時空間バックから取り出したのは、真白のとよく似た2つの『銃』だった。
「何であなたがそれを持ってるの!?」
「ん? あぁー、実は随分前に白ちゃんとダンジョンに行った事があってな。その時護身用にって事で、俺が造った」
「造った! あなたが!!」
「いや、翠ちゃん。俺のジョブ忘れた? 一応『工学者』だぜ。銃ぐらい造ろうと思えばできるよ。けど白ちゃんの様に、リロード無しの無限弾薬庫もどきの銃はできないし、特殊な弾丸は白ちゃんに造ってもらってる」
「だからって何であなたが造るのよ!」
「白ちゃんから聴いた事あるでしょ。生産時に生じる魔力の浸透の話し」
「……あったわね、そんな話し」
「つまり、そ言う事。…あっ! 他にも手榴弾や火炎放射器などもあるぜ!」
もう翠は突っ込む気も失せた。これ以上やったら疲れるだけだと。だから今は、目の前の事に集中する。
「しかし、…やっぱりこっちの数は多いわね」
「まぁ、モンスターは探索者の強い魔力や魔力の数に群がるからな。主戦力はここに、あと他は数名腕の立つ者とそこそこの人数いれば大丈夫だろ」
「その代わり、結界から漏れる奴がいたら大変よ。一気には出て来ないけど、もし結界が壊れでもしたら」
翠の言う通り、壊れでもしたら大惨事だ。それにモンスターの数を見た限り、絶対10〜20体は漏れてくる。結界も万能では無い。すぐ修復ができるとは言え、僅かな穴が空いたら、そこからモンスターが漏れ出て来る。一般モンスターならともかく、階層ボスやレイドボスが結界から漏れたらやばいであろう。
「けど、やるしか無いぜ。…白ちゃんが来るまで絶対に踏ん張るぞ。だからここから先は、何が何でも防衛するぞ!」
「言われなくても、…そのつもりよ!」
二人は力強い顔で覚悟を決めた。
そこえ、協会の会長、桐島が声を掛けてきた。
「龍也君、暁月さん…そちらも準備はできてるかい?」
「「はい!」」
「そうか。……ところで龍也君、ソレは何だい?」
「俺の武器ですよ(ドヤッ)!」
「……そ、そうか」
龍也はドヤ顔で言うが、桐島は訳がわからず考えを放棄した。
「桐島さん、結界の強化が終わりました。これなら、余程の事がない限り大丈夫です」
「ありがとう、天月さん…では、各自持ち場に着いて防衛を行なう。私は総司令として、各地全体の指揮を執る!」
こうして、防衛戦が開始された。
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