第27話 素材鑑定
「さて、始めますか」
8月の月初めの今日。現在真白は、自分の家の工房にいる。工房の作業台の上には、獅子王の素材が並べられている。真白は今から、素材の特性と使い道について探るため、研究を始める。
「まずは簡単の牙と爪、骨から大雑把に調べてみようかな」
真白は、それぞれに【鑑定】をかける。
[闇の暴風獅子王の牙]
素材ランク:S
既存スキル:【硬質】
詳 細:魔力を通す量に応じて、【硬質】スキルにより、硬さを増す。
[闇の暴風獅子王の爪]
素材ランク:SS
既存スキル:【剛力】【斬撃強化】
詳 細:魔力を通す量に応じて、【剛力】スキルにより、腕力が上がる。さらに、【斬撃強化】スキルにより、爪の鋭さが増す。
[闇の暴風獅子王の骨]
素材ランク:C
既存スキル:なし
詳 細:使い道はないと言ってもいい代物。しかし、入手しにくい為、素材ランクはそこそこ高い。
「う〜ん。牙の使い道は今は思いつかないかな。爪は完全に近接武器にぴったりの素材だね。……骨は…石井さんにモンスターの骨格標本の博物館を開く案でも出してみようかな?」
真白は、素材の既存スキルと詳細の説明で、使い道を思いつく。
「よし、次は毛皮だね…【鑑定】」
[闇の暴風獅子王の毛皮]
素材ランク:SS
既存スキル:【魔攻耐性・超】【魔力増加】
詳 細:魔法攻撃に対しての防御力が非常に高く、【魔力増加】スキルにより、自身が保有してる魔力量を増加させる。
「……この【魔力増加】、初めて見たけど、かなり優良なのでわ?」
真白の言う通り、このスキルは優良だ。魔法系メインで戦う探索者はもちろん、物理系の探索者も魔力を使用して発動するスキルも有るので、自身の魔力量が増える事は願ったり叶ったりだ。
「この毛皮の生産作業はやり甲斐がありそうだね! この素材は、ゆっくり考えて使おう! えっと、……次は血液だね」
真白は、最後に血液に【鑑定】をかけた。
[闇の暴風獅子王の血液]
素材ランク:SS
既存スキル:なし
詳 細:素材として使うよりも、触媒として使うのが望ましい。かなりの量の魔力が濃縮されており、使用するにも、扱いが非常に難しい。
「Oh no〜」
真白は、詳細の説明で驚き、困惑した。『扱いが非常に難しい』との所に、モンスターの血液には、魔力が濃縮されている。けれど、大半は魔石に比べたら大したことない。しかし、流石レイドボス、そこらの魔石なんかより、魔力量が有る。下手したらSSランク魔石ほどの量だ。
当然、魔石は魔力の濃度が多ければ多いいほど扱いが難しくなってくる。だからSランク以上の魔石は、あまり市場では出回らない。
Sランク魔石ですら扱いが難しいのに、SSランク魔石に匹敵するほどの血液など、もうどう扱ったらいいのか分からない。
「これ、魔石より扱いが難しいかも。せっかくの素材が無駄になるよね」
流石に真白も、どう扱ったらいいのか思いつかない。在庫にするにも、一袋20リットルの輸血袋を100個以上保管するのは、流石に無理であろう。
真白は、頭を働かせ、解決策を考える。いつもなら、他属性の魔石を合成し易くするための触媒としている。
例えば、真白がよく使う雷属性の魔石は、基本属性の『風と土』の魔石を合成してできた物である。基本属性とは、火、水、風、土、光、闇、無の7つある。無属性はただ魔力が濃縮し圧縮された魔石だが、他6つはそれぞれの特徴を持っている。そのため、合成魔石の種類は他にもある。
「う〜〜ん………んっ?…」
真白は、何かを思いついたのか、悩んでた表情が無くなった。
そして、真白の目線の先には、SSSランクの魔石があった。
「もしかして、アレが造れるかも! 本番前に練習は必要だけど、できる気がする!」
早速真白は、閃いた物を造るため、生産作業の準備を始めた。
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