男の遺書の言葉が心に刺さりました。
男がやったことは決して許されることではありませんが、それでも自分は男に非難されない人生を送っているのかと思うと、どうなんだろうと考えさせられます。
音楽がお好きと書かれていましたが、ロックな作品だと感じました。
榊さん、ありがとうございました。
作者からの返信
コメント及び評価ありがとうございました。
元々、遺書らしきものだけを素材にするつもりでしたが、
イメージが膨らんでこのような形になりました。
死刑囚に関することは、以前に読んだ知識に加え、
色々調べてみて出来るだけリアルな感じになるようにしましたが、
多少、事実と異なる部分があるかもしれません。
TVには殆ど出る事はないけれど、日本のロック史には欠かす事の出来ない
、自分が最も敬愛するアーチストに対する思いを詰めたつもりです。
遺書の部分には、歌のタイトルや歌詞の一部を出来るだけ入れてあります。
ファンには公表していなかったけれど、癌で余命1年と宣告されても
ライブを行う事を選び、何度となく危篤状態になっても
レコーディングの指示をしていたという、ロックな生き様は凄いと思っています。
罪を犯す前に教誨を受けることはできないのだろうか?
という、突拍子もない考えが、読んでいる最中から浮かんで止みません。
罪を犯してないなら、それは教誨じゃなくただの宗教説話なんだろうけど。
自分の周りに、あの教誨師みたいな人がいたならこんな狂気じみたことはしなかったのかもしれない────でももう遅いのである。
……この一文が、今後の世界に投げ掛ける意味は大きいと思うのです。
時々は、教誨のようなことを受けてみるのも良いかもしれない。
でも、本当に受けるべき人は……こんなことは考えないのだろうという、諦めにも似た嘆きがある。
世間に向かって叫ぶ────ままならぬこの不条理を
ずしりと重い一作でした✨
作者からの返信
天川さん、コメント及び丁寧なレビュー、ありがとうございました。
今の時代、個人が重視される感じで、周りよりも自分優先という感じがします。
損得勘定ばかり重視するような時代に、道徳がどうのこうのと言っても相手にされないかもしれません。
教誨師に関しては、堀川惠子さんによる『教誨師』という単行本を参考にさせていただきました。
死刑や死刑囚に関する文献は数少ないながら読みましたが、
もう死ぬ事が確定している人間の安らぎの為に、半世紀の間、ボランティアで活動してきた教誨師の話は、本当に重いものがありました。何度も死刑の瞬間にも立ち会ったような人の想いを、長年の取材でよく聞きだしたと思います。
テーマ的に何度も書くようなものではありませんが、今回、7月7日に敬愛するアーチストが一周忌を迎えるにあたって、引っ張り出してみました。
重めの作品ですが、読んでいただき、ありがとうございました。