第2話 攻撃魔法で人を助ける
「ありがとうございます!これで助かるわよ。スコムちゃん」
私ならできる。Sランクの私なら。
「マイクロファイヤー」
通行人の皆がこう思ったことだろう。
(え?ヒールじゃないの?なんで攻撃魔法?)
だがスコムの顔色が徐々に良くなっていくのが窺えた。
「・・・ママ…」
「スコムちゃん!!」
何と、驚く事に意識を取り戻した。
「よかった…ありがとうございます!お代はこれで足りますか…」
そう言い渡してきたのは金貨1枚。
10日は良い宿で泊まることができる代金だ。高すぎる。
「お題なんて入りませんよ。わたし、ヒーラーですので」
私は宿を取り、もう眠ってしまう事にした。次の日、ドアをコンコンとノックされたので開けてみる。
「私は騎士団長だ。城へ来てもらいたい」
「えぇ…」
ということで城に向かった私は、いきなり王室へ連れて行かれ、話を聞かされた。
「あの有名なAランクパーティーを追放されたんだってな。それで再び登録し直したらSランクだったとか。あ奴ら『世界の誓い』は見る目がないな。どうだろう。国王直属の『特殊騎士団長』になってくれんかの」
「えぇえええええええええええ!?」
騎士団長の顔が青ざめた。
「しかし、こんな追放された無能を最重要戦力である特殊騎士団の団長というのは些かおかしいかと思われます」
「黙っておれ!どうだ?入らぬか?」
「ま、まぁ…良いですけど…」
「そうか!それは良かったではこちらへ案内する」
そう言われて訓練上へと移動させられた。
「では交流を深めるのだぞ」
そう言って王はどこかへ行ってしまった。
「ちっ、何でこんな奴が俺より偉いんだよ」
そう言って唾を吐いた騎士団はクナイを懐から取り出し、エストに向かって10本投げつけた。
「はっはー!これを捌き切るためには1秒間で10回は正確に剣を触れないといけないぜ!怪我をしてさっさと辞めちまいな!」
「ふ、ただ1秒間に10回正確に剣を振るだけで良いんでしょ?」
「キンキンキンキンキンキンキンキンキンキン」
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