第22話 自己紹介
フェリエッタは、一人
この部屋は、かなり広く、家具も
「えーと。それじゃ、自己紹介からしてもらおうか。」
着物姿の少女の
「え? あ、はい! 私、フェリエッタ・ウィリアムズと言います。新しくこのここに入ることになりました。よ、よろしくお願いします。」
「おぉ! おぬしが、
フェリエッタは、一歩前に出て、上ずったような声で挨拶をすると、着物姿の少女がフェリエッタに話しかけてきた。
少女のぴょんぴょんと跳ねている様子が、可愛らしい。
「わしの名は、
「私は
「…
着物姿の少女が名乗ったのを
「フェリエッタさんだっけ? いろいろと
音沢と名乗ったスーツを着た女性が、身を乗り出しながら、フェリエッタにやさしく問いかけてきた。その
「えーと、ま、まだよくわからないこともたくさんあって、
「ま、そうかー。もし困ったことがあれば、気軽に、ね。」
「あ、ありがとうございます。」
「わしも、いろいろ聞いておったぞ! おぬし、巨大な
「え? は、はい。」
「おぉ、
枸橘は、フェリエッタの話を聞き、さらなる強敵へと思いをはせていた。その目は、きらきらと輝いている。
「そ、そうなんですね。」
魔物との戦いに目を輝かせる枸橘を見て、少々ひるんでしまうフェリエッタだった。
「フェリエッタさんは、黒薙とバディを組むんだよね。」
枸橘に迫られてしまい、
「は、はい。」
「そっか、黒薙も一人前の
「音沢さん! そ、それ以上は。」
「あれ、ダメ? 私、結構あの頃の黒薙のこと、好きなんだけどなー。」
自分の話が出た途端、フェリエッタの隣にいた黒薙が、慌てた様子で音沢の話を
黒薙の
「そういえば、皆さんは、私と同じように別の世界から来た
「私は、残念ながら違うね。今いるメンバーだと、枸橘さんとそこの江良川は、フェリエッタさんと同じように、別の世界から来た人かなー。」
「え!? それでは、皆さんもこの世界に
「あー、んー、それはちょっと違う。そもそも、枸橘さんと江良川は、フェリエッタさんがいた世界とは別の世界から、やって来たの。それにね、フェリエッタさんのように、誰かにこっちの世界に連れてこられた人は、珍しいんだ。」
フェリエッタの話を、音沢がやんわりと否定する。
「わしらがここに来たのは、
枸橘が、低い背を頑張ってフェリエッタの目線にあわせようと、背伸びをしながら、そう言ってきた。
「せかいわたり、ですか?」
「世界渡りとは、テクスチャ―上に存在している無数の宇宙ひもが、
「えーと、てくすちゃー? うちゅうひも? わーるどしふと?」
「ま、
音沢の説明を聞き、さらに頭を混乱させたフェリエッタに、笹平が
「私たちの仕事は、そんな物や人たちを、
「そ、そこは少し聞いています。私の仕事は、バディのクロナギさんと一緒に任務に出て、別の世界の方や物を一緒に連れてくればいいんですよね。」
「うん。別の世界に来たことを、急に言われても納得できない人も多くて。世界渡りした人が一緒に状況を説明してくれた方が、効率がいいんだよ。それに、よくわからない能力を持ってることがあるから、そういうのに知識がある人が一緒にいた方がいいからねー。フェリエッタさんみたいな別の世界から来た人に、バディを組んで、協力してもらっているのは、そういうこと。」
「な、なるほど。」
「ちなみに、江良川のバディは私ねー。君も、黙ってないで何か言いなよ。」
「…うす。」
音沢は、江良川と名乗っていた少年を、
「わしのばでぃは、そこに居る笹平じゃ。」
枸橘が、フェリエッタの目の前で、
「あれ? ササヒラさんは、クロナギさんとバディではなかったんですか?」
「あ、あぁ。枸橘は、ついこの前まで任務で別のサイトに行っていたんだ。その間だけ、俺と黒薙が組んでいたんだよ。」
フェリエッタの質問に対して、傍にいる笹平が答える。
「こやつは、修行を
「…お
高笑いをする枸橘を見ながら、笹平は死にそうな顔で言うのであった。
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