第9話 鳥のクリーム煮
『ぺえるの料理は最高だ~~』
語尾にハートマークを付けた
俺も嬉しい。菫ちゃんも上機嫌だ。
ただ……ここには、ナイフとフォークの習慣がないので、菫ちゃんは冷めたムニエルをひたすら、手掴みで食べてるけど……。
俺は、島のあちこちを探して、食べられるものを探した。
そうしたら、あるじゃん。沢山。
野ブドウの実だろう、野生のイチゴの実もなってた。
高い岩の上に登って、島中を見渡すと、本当に大きな島じゃないんだ。
島の裏側で、海藻を食べてる牛(?)発見。
『菫ちゃん!!あれなあに?』
食べ終わった
『あれも食用だが、鳥ほど繁殖しないから、自然にしてあるんだ。あれも生肉以外に美味く食べられるの?』
菫ちゃんはキラキラした目で俺を見てきた。最早、よだれも垂れていた。
『肉って言うより、良い乳が出るんだよ。それで鳥肉のクリーム煮を作ってやんよ。見たとこ、自生の芋があるみたいだし』
『それは美味いの!?』
『多分、菫ちゃんが味わった事の無い美味さだよ』
菫ちゃんは、獣人の男衆に命じて浜辺に打ち上げられた海藻を食べてる牛に乳を搾ってくるように命じた。
島の男たちには、初めての搾乳らしくて、何度も牛の足で蹴られながら、やっと、桶一杯分の牛乳を手に入れた。
俺は、葉っぱの形から、芋だと思われる草を引っこ抜いてみた。
案の定、根っこがいも状に膨らんでいる。
俺は、今日は時間が掛かるからと、菫ちゃんに別れを告げ仕込みに入った。鍋は、浜辺で見つけた物を使うとして、サラとスプーンは手作りだ。俺は、手頃な木の幹の中央を削ってお皿にした。後は、スプーンだな。
もも肉をタップリもらって、石の上で炒めて旨味をとじ込めた。
そして、適当な草といっしょに砂浜に打ち上げられていた鍋で、肉と草を牛乳で煮込んだ。
とろみは、芋を潰した汁を入れてみた。
基本的にここには、塩くらいしか、調味料が無いので、後は俺の料理人としての勘だけが頼りよ。
さぁ、出来たぜ!!こんな絶海の孤島で、『
「美味そうだな……私のもご相伴にあずかりたい」
何処かで聞いた声?
そういうと、俺の上空がゆらっと揺らめいた。
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