第10話 ゲートポイント
でもそこはそこ。いくら成績得点に結びつくゲートポイントが少なくとも太陽系を通過ルートにして近辺のポイントの洗い出しをする。ウチの学園の数十年のハントコンテスト歴史においてもまだまだ未開拓エリアは多く、僕は過去の生徒の探索実施ルートを研究してもまだまだ攻略エリアが多いと考えている。
本当に宇宙は広い!は2年コンテスト参加経験での感想。
不人気エリアで上位入賞に食い込めてるのは、ゲートポイント探索の方法と近辺エリアの選択方法ではまだまだ高得点ポイントエリアが望める。
まず探索宙域の過去の天気状況と別の高ポイントエリアだった宙域との比較。宇宙は生き物でポイントもその時には見つからずとも天気の状況で発見されやすい環境があったり、ゲートポイントそのものの生成促進。つまりポイント自体の『ホワイトホール』誕生もあると僕は考える。
学園内でゲートハントコンテストの過去の優秀賞者の探索ルート記録は、現在から5年以上前のものは閲覧可能のため、僕は大分研究してきた。
学園で太陽系が探索ルートとして凄く人気だった時代のコンテスト優勝者のルートマップは研究し尽くして10人分くらいの優勝者の名前と顔画像と一緒にルートマップがすぐに頭に浮かぶくらいになった。
発見されたゲートポイントそのものが質が良く商業運用された高得点ポイントやゲートポイント大量獲得できるエリアは確かに簡単には見つからなくなってきているが、優勝者達が通った宙域そのものがホワイトホールを形成しやすい環境や条件があると僕は考えたんだ。これらの環境に似通った近辺エリアの洗い出しをしたり、優勝者がハントに訪れる前の過去の宙域天気の情報収集を太陽系宙域天気局に問い合わせをして研究した。もちろん優勝者の探索ルートを順番にトレースしてコンテスト当日の天気も比べてみた。特に大量のゲートポイントが比較的近い範囲で密集したエリアには、ある天気環境が頻繁に起こっていたりする。それはホワイトホールを生成する環境の一部を担っていたりする現象ではないかと予想した。
これらの天気環境が続く宙域エリアを選びルート計画をする事を考えついた。
僕は1回生の頃はここまでの着眼点はなかった。
なんとなく僕の中の勘のようなもので計画ルートを考えて参加した。それでも成果はそれなりにあり、初めてのハントに夢中になった。1回生の成績は5位で1回生がしかも太陽系ルートでと少なからず驚かれた。
ここ数年は特に太陽系ルートでハントする生徒はほぼ皆無で、今は鳳凰銀河の一輝陽系ルートといくつかの赤色矮星をもつ未開拓の星の近辺が人気だ。前者は天の川銀河と同じで、地球の太陽に匹敵する一輝陽を中心に文明が栄えたいくつかの惑星がその周りを公転し、その他の惑星はやはり資源庫のような惑星の役割を持つ太陽系に似た惑星構成になっている。
この一輝陽系は割とテクニックなしでもポイントを見つけやすい宙域も多く、おまけ一輝陽系との外交ゲートを欲する他銀河の主要星の要望が高い。
当然学園の生徒達はこちらの宙域に流れてい行く。
僕としては、学年が上がって行くにつけ他生徒と宙域で競り合う事が少なく、伸び伸びとコンテストに参加出来ている。
寄り道の屋台サテライトも毎年満喫し、今年で最後なのが残念ではある。だが、まぁそれは成人して外宇宙を飛べる時の楽しみにしておこうと思う。
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