第9話 月夜の鳴き声

ある晩、友人が部屋で受験勉強をしていると、突然窓の外から「みゃーみゃー」と猫の鳴く声がしたそうです。


それもかなりの数でまるで人間の赤ん坊のような声で鳴いている。


「盛りの季節かな?」


なんて思いながら友人がそのまま受験勉強を続けていると、やがてすぐ近くまで鳴き声が迫ってくる。


不思議に思った友人が窓を開けてみると、そこには全身顔だらけの猫がいて、その顔が一斉にこちらを見て「みゃアぁ」と鳴いたそうです。


「ぎゃぁぁっっ!!」


友人が悲鳴を上げると、その野良猫は隣家の屋根を飛び越えて月夜の住宅街へと消えて行ったそうです。了

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