のれないブランコ

わたくし

乗ってみたいな雲の上

「ねぇ、知ってる?」

 イキナリ悪友のAが話しかける。


「何の事?」

 俺は答える。


A「『ア〇プスの少女』のアニメ」

俺「あぁ、家庭教師のCMのやつ」

A「それの元ネタ!」

俺「あぁ、低燃費のCMの?」

A「だから! その元ネタの!」

俺「あぁ、野〇直子の歌の?」

A「なんじゃそりゃ⁉」

俺「♪ユキちゃんがおんじに“ピー”自主規制れてる♪」

A「初めて聞いた…… そう、その元ネタ!」

俺「冗談はさて置き、母親が少女時代に夢中に観ていたと言っていたな」

俺「俺も母親にDVDで無理矢理観せられた覚えがあるよ」

A「あのアニメのオープニングで印象的なシーンて、何?」

俺「そりゃぁ、空中の長ーいブランコに乗ったあと、雲にダイブする所だね」

A「あのブランコに乗ってみたい?」

俺「うん、乗ってみたい!」

A「ブランコの動きは振り子と同じ動きだと解るね?」

俺「うん、解る」

A「振り子の長さは、振り子が往復する時間と比例しているんだ」

A「つまり、往復する時間が分かればブランコの長さを導き出せる」

俺「へーそうなんだ」

A「画面上でブランコが往復する時間は約12秒」

A「振り子の方程式に当てはめるとブランコの長さはナント、36メートル!」

俺「スゲー!」

A「ブランコは約70度の位置まで上がっているから、ブランコの長さと円周率で計算すると高低差25メートル! 最大時速約80キロ!」

俺「うわっ!」

A「このブランコから雲に向かって飛び出すとすると、最高地点でのスピードはほぼ時速0キロで、折り返す瞬間無重力状態になる」

A「これでは遠くの雲まで届かない」

A「最低地点でのスピードは時速80キロ」

俺「最低地点だと地面スレスレじゃないのか?」

A「画面を良く観ろ、あのブランコは地上からかなり高い所に吊り下がっているよ」

A「地上から約100メートル位かな?」

A「教会の尖塔より高い位置にあったから……」

A「最低地点で飛び出せば時速80キロで空中を飛び続け、雲にダイブできる」

A「しかし、時速80キロでダイブすれば、雲が綿の様な柔らかい物だとしても『ア〇プスの少女』の体は……」

俺「怖っ!」

A「それよりも怖いのは『ア〇プスの少女』が如何にして、100メートル上空のブランコに乗れたのか?」

A「誰か、コノ方法を教えてほしいよ……」

俺「確かに……」


どっとはらい

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のれないブランコ わたくし @watakushi-bun

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