第13話 孤独

「……間に合わなかったか?」


 青華ゆかりは目の前の惨状を目にし、呟いた。


「それならこれ以前の場所で抑えるはず。あり得るとすれば第三者の介入か、罠か」


そう答えを返したのは青髪の青年、北国の参謀と呼ばれる青華冬だ。


「大友を倒せるほどの奴だ。罠ではないだろう」

「だったら第三者の介入かと。あり得るとしたらこの間の少女か、六壊かと」


六壊。それは四半菅Sクラス卒業生をさす言葉だ。今までに六人しかおらず、


神童・桜野桃

悪魔・只野竜司

業縁・風谷風魔

胡椒・調味料太

露傑・烏克蘭雅樹

風魔・瀧月聡太


各々が国を担うべく働いている。

だから何かがないときは動かないはずだが…


「ゆかり姉さんの言いたいことはわかる。六壊が、このことについて手を出したってことでしょ?」

「正直六壊は首脳と敵対してると思ったたからな。自分の陣営さえ守れればよしとする連中だし」

「はぁ…厄介だね」

「そうだっ……て待って、まだ息がある。回復魔法かけて!」


そのころ、当の本人は


「ハクチュン」

「姉さん大丈夫?」

「誰か噂してるかも……」

「一応これでも六壊の1人だもんね」

「なんか言った?」

「いえなんでも」


私は顔を背けて久々に会った姉と話す。

姉といる時は常に自然体でいられる。

キツく縛られた現状から逃げ出せるような気がして。

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少女の回顧録 〜暗い過去と未来の行方〜 北条綱成 @wnh

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