四歩目「朝はおはようの挨拶から」です!

 し、死んでる?


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 横には「ふぁ〜」と大きなあくびをして、背筋を伸ばしているあの少女が。

 ???

 何が何だかわかりません。


「お姉ちゃん おはよう」


 少女はそう言ってニコッと笑った。

 可愛い……じゃなく、一体なにが? でもこの子が魔物を倒した? こんな小さな子があんな大きな魔物を倒すなんて…… 目の前の光景が信じられなくて混乱してます。 あ……もしかして私の幻覚とか? 目をゴシゴシしてもう一度そちらを見ると——変わりませんね。


 やっぱり死んでる……本当に倒しちゃったみたいです。まるで私の魔法で倒したみたいですね、えへへ。

 ……虚しいです。

 ————うん。

 つまりはこれは何かの魔法にかけられているという事でしょう。きっとそうです! ということで魔法で解いちゃいます。

 もうこんな森さっさとおさらばですよ! そうして私は魔法を解除する為に少女をジッと見つめました。

 あ、まつ毛長いです。


「お姉ちゃんどうしたの? そんな見つめちゃって」


 魔法解除! 魔法解除!! 早く元に戻ってください! 少女を見続けて少し経った頃でした。

 あれ?なんか変な気がします……頭がぼや〜っとしてくるような……これは一体……? あ……意識が……—— ……



 ————ハッ! 私は目を覚ましました。そこは森の中ではなく見慣れた自分の部屋でした。

 あれ? ここは……私の部屋ですよね? それに外は明るいです。朝なのでしょうか?  昨日は確か森で女の子と一緒に……魔物が来て——そこから記憶がありません。

 どうしたんでしょう私……。

 

 あ、そうだ!

 あの女の子は無事でしょうか!? 私は慌てて部屋から飛び出しました。

 リビングにはいつものように、お母さんがいました。


「あらヨーデルおはよう」

「あ、おはようお母さん!」

 お父さんもいました。おはようございます!


「おいおい、早く朝飯にしてくれヨーデル」

 お父さんがそう言いながらお母さんの肩に手を回します。仲睦まじいお二人で何よりです! あ、それよりあの女の子はどこに!?


「ねぇお母さん、昨日私が森に行ったこと知ってますか?」

「は? なに言ってるのあんたは。昨日は帰ってきてから家でずっと寝てたわよ?そんな所になんて行ってないわよ」

 ……

 ……へ? そんなはずは……でも私あの時確かに森にいたんですけど……。

「お父さんも昨日ヨーデルが帰って来て家から出た姿なんて見てないわよね?」

「あぁ、俺もずっと家にいたけど、見てないな」

 はい? じゃあ一体誰が私をここまで運んだのでしょうか?

 いえ、そもそも……家にいた?

 

 そう、これが私と彼女との出逢い。それはそれはもう長い付き合いとなる事を、まだ知らない私なのでした。



 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 エンディングと次歩予告

 もう本当に何がなんだか……

 とりあえずご飯が冷めてしまわない内に頂きましょう。

 それから考えて……考えてもしょうがない気がしますが。

 

 それでは次歩の弱過ぎ魔法使いのヨーデルエルフェンフィート

【イルイーニョ現象】です!

 またお会いできたら嬉しいです!


 

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