三歩目「オレサマ オマエ マルカジリ」 です!
「お姉ちゃんって呼んでくださいね」
「……へ?」
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「私にはカッコいい姉がいるんですけど……あなたみたいな可愛い妹が欲しいなってずっと思ってたんです!」
そうです!これは願掛けなのですよ! 絶対妹がほしいって、いつも願ってましたから! ……あれ? なんでか知りませんが更に引かれちゃいました。何故でしょうか。うぅ……でもこんな森に女の子一人で倒れてるくらいですし、何か事情があるのかもしれないので深くは追及しないようにしましょう。
「あ、そうだ。怪我はありませんか? 足を挫いてるようでしたが」
「へ? あ、うん平気だよ」
よかった! 他に傷なども無いようですね。
でもやっぱり少し心配なので、私は手持ちの薬草で少女の足を手当てする事にしました。
幸い、本当に大した事はなさそうです。
そうして落ち着いたところで改めて自己紹介をすることにしました。
「私はヨーデル・エルフェンフィートと申します。あなたのお名前はなんというのですか?」
「私は……イ……ㇽ……」
少女の声はそこで途切れます。そしてそのまま倒れてしました。
どうやら気を失ってしまったみたいです。
「ど、どうしましょう! イなんとかさん?……帰り道も分からないし……かと言って放って置くわけにもいきませんし」
少し考えた末、私は彼女を抱きかかえて先程の大きな木の元に行く事にしました。
ここで二人で助けを待つ事に——
「しかし……本当に可愛いですねぇ」
こんな子が本当に妹だったらいいなぁ。なんて思いながら、眠気が徐々にきて、そのまま寝てしまいました。
——ガサッ
……? 物音で目が覚めた私はすぐに違和感を感じました。
これは……魔物です。なんという事でしょう。
今日は一体なんの日でしょうか。何かのイベントですかね。
段々気配が近づいてきます。
しかしこの子は守らなければ……攻撃魔法も防御魔法も、私は使えます。
弱いですけどね!
臨戦態勢をバッチリ決め、迎え討つ事にします。
はてさてどこまで持つ事やら……
いえ! 妹を守る為ならきっと眠っている力が…… あっ!
魔物さんのご到着です。
見て下さい、あの大きな容姿。
双頭に荒ぶる体毛。四つ脚でお犬さんのよう——はい無理です。
どうしてこんな辺鄙な所にこのような凶悪そうな魔物がおられるのでしょう。
ヨーデル・エルフェンフートの物語はどうやらここまでのようです。
本当に今日は……疲れました。
全てを諦めこの身を差し出そうとした時、少女が目を覚ました。
私は「逃げて!」と咄嗟に叫び、魔物の前に立ち塞がりました。
もう怖くて怖くて震える体で目をぎゅっとつむり、最後の覚悟を決めました。
次の瞬間。
ドサッと何かが倒れるような音がしました。なんでしょう。
あれ? 私生きてる?
恐る恐る目を開けると、そこには倒れてる魔物がいました。
倒れてるというか……
し、死んでる?
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エンディングと次歩予告
可愛い動物さんなら大歓迎なんですけどね〜。
もうヨダレだらっだらの魔物さんはちょっと……私は平穏な毎日を過ごしたのですよ。
それでは次歩の弱過ぎ魔法使いのヨーデルエルフェンフィート
【朝はおはようの挨拶から】です!
またお会いできたら嬉しいです!
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