002
「な、なんだお前!?いつからそこに居た!?」
超腰を引かせて訊ねた。扉が開いた気配は無し、何よりまだ開店前だから施錠している筈。それがどうして!?
「いつからって、ついさっきですよ、勿論」
ニコーっと笑う。めっさ可愛い。ついつい惚れそうなほど。
そこで余裕が生まれた、って事は無いだろうが、ようやく観察できた。
腰まで長い金髪は、軽くウェーブが掛かっていて、動くたびに揺れていた。それも可愛い。
俺よりも低い身長。当たり前だろうが、女子の身長にしても高くも低くもなく。胸も大きくもなく小さくもなく。丁度良い感じで揺れている。これも可愛い。
着ている衣類だが、純白のワンピース。腰の部分に布を巻き、ウエストの細さがバッチシ現れている。古代ローマにありそうな衣類だ。コスプレか?スカート丈が短いので、生脚が実によく映えている。そこも可愛い。
じゃねえよ。じゃねえんだよ。
「だからいつから居た!?」
強盗か?こんなに可愛いのに?ウチの店に取られるんもんと言ったらスープのレシピくらいしかないけど……
「ですから、ついさっきですよ。じゃあ早速行きましょうか?」
そう言って接近してきて、俺の手を取った。
超ドキドキした。いい匂いだし。それを吸い込むように鼻の穴が大きくなっている事だろう。
じゃねえよ。じゃねえんだよ。
「い、行くってどこに?」
やっぱりドキドキしして訪ねた。隣の蕎麦屋の娘以来だ、この至近距離は。いや、もう一人いたっけ。
「それは勿論、私のお家です。今は
やっぱりニコーっと更に接近してきて、そのまま顔がドアップに……
え?えええええ?なになになに?何なの?これっていわゆるキス?接吻?口づけ!!?
パツキンとは目が合ったまま。青い瞳が俺を捕えて離さない。俺は蛇に睨まれた蛙の如く、脂汗を流して、ただ固まっているのみ。
超ドキドキして瞬きを二、三度繰り返す。その直後、眩暈を起こしたかのように、彼女の顔がぐにゃりと渦を巻いた――
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