ちから
隷属の儀式は終わった。
魔神もエウリアも、僕の魔法によって完全に調伏された……はず、多分だけど。
三日くらい前に確立した技術だから上手くいくかは謎だ。
「これは……何をしたのだ?」
「魂の変遷、強引なねじ曲げ、あり方の変貌……?みたいな感じかなぁ?」
僕は魔神の疑問に対して適当に答える。
「そんなことはどうでもいいでしょ。別に隷属失敗していてもどうでもいいし……居場所なら魔界の方に逃げてもわかるしね。逃げたら殺すだけ。何だったら魔界ごと壊してやろうかな?あの程度の世界であれば壊せるよ」
「……ッ」
何気ない僕の言葉に魔神が体を震わせてゾッとしたような視線をこちらの方に向けてくる。
「というわけでこの話はおわーり……エウリアとリリスはさっさと仲直りしていてね」
「……それにしても、これで明確に魔神と魔女が仲間へと追加されたのね。改めて考えるととんでもないという次元じゃないこと起きているわね」
「んっ?あぁ……確かにそういうことになるね」
僕はグリムの言葉に頷く。
「個々人でも国を相手に出来るものね」
「我一人でも人類をほぼ半壊状態に押し込める人の子がいる時点で世界を相手に出来る……これだけの人材を集めて何をするのやら、すべての物事が完遂されるぞ」
「僕の目的は神様にもう一回会うことだよ?みんなはそのための人体実験兼知恵袋」
「あまりにも規格外過ぎて忘れておったわ。我ら如きでは何の意味もないな」
僕の言葉を聞いた魔神の自信は一瞬で消し飛ばされる。
「ねぇ、それでもだ。あれはどうするのだ?」
そんな中で、リリスが話に入ってくる。
「……あれって?」
「ほら、魔王軍だ」
「……あぁ!そういえばそんな奴もいたね!というか、絶賛魔王軍と戦闘中か!魔神とかいう最高の素材が出てきてくれたせいで存在を忘れていたよ!」
僕はリリスの言葉を聞いて、ようやく自分たちの敵として君臨していた魔王軍の存在を思い出すのだった。
そういえば魔王の子宮とかに罠置きまくったね。
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