処遇
僕の言葉を聞いて、
「私は!……リリスと、同じ扱いにしてほしいわ」
勢いよくエウリアが大きな声を上げて主張してくる。
「我もそれでお願いしよう……正直に言うと、既に我の心は折れているのでな。ただ、死にたくない」
そして、それに続いて魔神も口にする。
「……随分と情けない姿になったものだな」
僕は随分と腑抜けたことを口にする魔神に対して挑発するような言葉を口にする。
「仕方ないだろう……神である我が、己が全ての生命を賭して至った頂き、その頂点。それに対して、人の子が容易に飛び越えて行ったのだ。自信も消えよう」
魔神が口にする言葉、その哀愁。
それは実に弱々しく、儚かった。
「……あ、あの魔神がこれほどまでに」
そんな姿を見てリリスは震えながら口を開く。
「我ら魔神はどれも気狂い。何もかもを捨てて、何もかもを守れるような力を欲し、あるべきものを、己が悪魔という姿を捨てたものだ。そんな我らが誇りを越えられた。それは許されるものじゃない、認められるものじゃない……だが、認めさせられた。その時点で我ら魔人は落ちる。所詮、我らは亜神なのだ。創世である必要も無い。明確な神が舞い降りて魔界を回るだけで我らは落ちる」
「……っ」
そんなリリスに対する魔神の言葉はそれっぽくはあるけど、なんとも情けない言葉であった。良くもまぁ、そんな堂々と言えるよね?
「ポエむな、痛いぞ?」
それを僕は一瞬で切り捨てる。
「そ、そこまでの言い方をしなくていいだろう!?我が何をしたというのだ!」
「妥当では?」
僕は動揺する魔神の言葉に冷たく言い放つ。
こいつには冷たくさせる道理があるだろう。
「……」
「それで?二人とも、僕にひれ伏す、ってことでいいのだろう?」
僕は魔神とエウリアの二人に対して告げる。
「えぇ、それで……お願いします」
「我もそれでお願いしたい……」
「いいだろう……君たちを、僕の配下に入れて差し上げよう」
二人の言葉を聞いた僕はそのまま彼女達の魂へと自身の魔法を刻み込み、隷属させて行くのだった。
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