ほこり
魔神の一撃を受けた僕はそのまま空中から地面に向かって滑空していく。
「ふんっ!」
だが、僕が完全に地面へと着くよりも前に先回りしていた魔神から蹴りをくらい、再び宙へと舞い上がっていく。
「まだまだっ!」
そして、そんな僕を狙って魔神が幾度も攻撃を繰り出してくる。
「ほら……ほらほら!この我に抵抗できないのかァ!人の子よ!」
ノリノリで攻撃をくらわせてくる魔神はそのままの勢いで言葉もどんどん乗っていく。
「はぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!」
そして、飛んでくるのは拳だけじゃない。
大量の魔法までもだ。
「ぶっとべっ!」
大量の魔法を受けて空を舞った僕の身体。
そんな僕を魔神は全力で壁にまで蹴りで叩き飛ばす。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
無抵抗のままで吹き飛ばされた僕はそのまま壁へと勢いよく激闘する。
「ね、ネージュ様ァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「これで、終わりだ」
そんな僕を前にする魔神は渾身の一撃を放つべく、魔力を溜め始める。
「そ、そんな……そんな」
「う、嘘だろ……」
「ネージュ、様」
「……やっぱり、魔神を相手にするのは、いくら……ネージュでも」
「……」
そんな中で聞こえてくるのは結界の中に隔離されているミュートスたちの心配そうな声である。
「今更!もう襲い……あれを処理した後は、次はお前たちの番だ」
魔神がそんな彼女たちへと殺気をぶつけている間、僕は体を起こす。
「死ね!」
ちょうど、そのタイミングで渾身の一撃を完成させた魔神が僕の方へと飛ばしてくる。
「ふんっ」
自分へと迫る魔神が繰り出した魔法を僕は蹴り一つで弾き飛ばす。
「大丈夫だよ。少し、埃がついただから」
そして、不安そうにしているミュートスたちに対して僕は自分の体についてしまった埃をはたきながら答える。
「ば、馬鹿な……」
「さて、新しい姿になってからのウォーミングアップは終わったかな?魔神くん」
僕は体を震わせている魔神に対して嫌らしい笑みを浮かべて言葉を告げるのだった。
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