本領発揮
僕へと挑発を繰り返していた魔神。
「……我が、神たる我が人の子へと恐怖していると言ったか?」
そんな魔神は僕の言葉を受けて一瞬にしてその沸点を沸騰させていた。
「そうだろう?恐怖でもしていなければ僕へとわざわざ御託を繰り返すことなどないだろう。最初から早々に僕を殺せばいいのだから……それが、出来ないからわざわざ口を動かすのだろう?」
そんな魔神に対して更に僕は薪をくべていく。
「く、くくく……いいだろう。見せてやろう。我の真なる力を。その目をよく見開いてみると良い」
「……へぇ?」
僕に煽られて顔を真っ赤にしてしまっている魔神は不適に笑うと共にその体を震わせ始める。
「……何も、しないというのか?」
明らかな変身シーン。
明楽かな隙を晒している魔神を前にしても何もせずにただ立ち尽くしている僕に対して、彼女は首をかしげて疑問の声を上げる。
「あぁ、別に変身を邪魔するほど僕は無粋じゃないよ?好きにやってくれていてたまえ」
わざわざ僕の前で神が己の在り方を見せてくれると言うのだ。
それを前にして、僕がそれを止めるはずがない。せっかく、魔神の面白そうなところを見せてくれると言うのだ。
邪魔なんてするわけがない。
「その油断、その慢心……」
そんな僕の言葉を受け、魔神は体を振るわせながら声を漏らす。
「後悔させてやるぞぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
そして、魔神は大きな声で叫ぶと共にその身から膨大な光と力を溢れさせる。
「……へぇ、ちゃんと面白いじゃないか」
その光が晴れると共に、姿を現したのは先ほどまでの化け物とは一転、中々に可愛らしい女性であった。
青白い人間のものとは少し違う肌に四本の腕を持つことから確実にそれが人ではないことはわかる。
だが、それでも胸や尻、太ももなどにはしっかりと肉のついた色っぽい体をしており、ミイラのようであった不気味な相貌も実に美しいものをへと変わっている。
「これが、我の真なる姿だ……どうだ?人の子よ」
そんな姿を見せる魔神は僕へとドヤ顔を見せながら豊満な胸を張るのだった。
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