古代の龍
「……なんで、こんな奴が存在するんだ?」
『この、気配は本当にヤバい奴じゃないか……?この魔力の質からして青年龍とかいう次元ではなく、普通に古代から生きている奴だぞ。ま、不味くないか?』
魔物が大量にいる原因。
それを探るべく森の中全体に感知魔法を広げた僕は森の最奥、そこにいた巨大な龍を検知する。
「が、ええやん。古代より生きる龍とか最高の素材を提供してくれそう」
『……えぇ?』
古代の龍。
ただでさえ、龍の素材は希少なのだ。それが伝説上に語られるような古代から生きる
お姉ちゃんたち三人たちも合わせて空に浮かせている僕はそのまま彼女たちを連れて古代の龍の元へとワクワクとした気持ちと共に向かっていく。
『人、か』
大量の魔力とソニックブームを垂れ流しながら古代の龍の元へとやってきた僕に気づいたそれはこちらへとゆっくり視線を向けてくる。
「……あ、あれは」
「……ッ」
「……あ、あわわ」
体長はどれほどだろうか?
目算で図るにはあまりにも大きな巨躯を持つ古代の龍の視線に他の三人が怯え……いや、お姉ちゃんはどちらかというと驚きか。
ゲームにも出てきたキャラなのかな。
勝てそうになかった詳細を聞くとするか……まぁ、負ける気はしないけど。
「とりあえずこれは挨拶……■」
僕は手元からただ魔力を圧縮して固めただけの魔力弾を龍へと投げつける。
「……ん?」
だが、僕の魔法は龍の鱗に当たると共に霧散して消えてなくなってしまう。
防がれたというよりも無効化されたという方が近いような感覚が残った。
『……古代の龍に魔法は効かないぞ。俺たち悪魔もかなり魔法への耐性がある方だが、古代の龍はそれを遥かに上回る』
「そうなの?」
僕はリリスが告げた古代の龍の情報に驚きの声を返す。
『我に人の魔法は効かぬ』
僕の魔法を受けた古代の龍は一切動じることなく、そのまま高い知性を感じさせる尊厳な声を響かせる……それにしても、今。人の魔法って言ったか?まるで人以外の魔法もあるような言い草じゃないか。
『別に君たちに恨みはないが、これも我に刻みこまれた定めであるのだ。ここで死んでもら……ん?』
古代の龍はこちらを殺そうと翼をはためかせてこっちに向かってこようとするが、その前に僕が予め貼っておいた結界に止められる。
「魔法が効かないという割に結界一つ壊すことが出来ないのか」
魔法が効かないという言葉から結界くらいすり抜けられると思っていた僕は普通に結界によって止められた古代の龍を見て拍子の抜けを声を上げる。
『こ、古代の龍を結界一つで止めやがったぞ、この男。マジか?』
「魔法が効かない……魔法が効かないねぇ」
この分なら案外効くのではないか?
「とりあえず数十億くらいの魔法を打ち込んでみるか」
『……ミ?』
結界の内部。
そこをすべて覆い尽くすように魔法が効かないと豪語する龍へと大量の魔法をぶち込んでいく
「たまやー」
自分の口とリリスの口をすべて駆使して同時並行的に魔法を使用し、一瞬で僕は数万という数の魔法を展開し、それらすべてが自動的に絶え間なく撃ち込まれ続けるよう設定する。
「とりあえず十分間くらい続けるか」
そして、数多の魔法によって虹色に光る結界を見ながらぼそりと呟くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます