古代遺跡

 砂漠の砂を魔法で消滅させて巨大な穴を作り出した僕はそこに佇んでいた古代遺跡の方へと侵入していた僕はその中を探索していた。


「……ふむふむ。多分、こことここがあるからこの文法はこうなって」


 そんな僕は古代遺跡の中に大量に散りばめられた大量の壁画を暗記して回りながら描かれている文字を解析していく。


『なんでリアルタイムで解読出来ているんだ……?』


 そんな僕の様子を見ていたリリスが困惑の声を上げる。


「いや、実は全然出来ていないよ。どうしても単語の問題があるからね。一回しか出てこない単語でなおかつ絵にもそれを示していそうにない単語とかは推察しようがない。周りの文章を見て推察しようにも精度は怪しくなるからね」


 それに対して僕は肩をすくめながら答える。

 どうあっても無理なものはあるので、解読も完璧じゃない。

 というより全然だ。半分くらいの意味をなんとなくわかるかなぁー?程度でしかない。


「まぁ、ここは何らかしらの脅威から逃れるためにどこぞの魔女が作った拠点らしいよ。つか、この魔女ってば人だよな?それにしてはあまりにも長くを生き過ぎじゃない?……あるのか?不老不死」

 

 不老不死。

 それは僕が恋焦がれるものの一つである。


『……ッ』


 僕は実に興味深いものしかない古代遺跡の中を進んでいく。


「ほっと?」


 すると、慌てた様子の人間の気配を感じ取る。

 明らかに誰も来れなそうな場所にあるここから人間の気配がすることに僕は首をかしながら足を止める。


「ね、ネージュ!?」


 その間にもその気配はこちらの方へと近づいてきており、とうとう僕の目の前にその気配の正体が飛び出してくる。


「……ぁ」


 一応、どんな人間が来てもいい様に魔法の詠唱を予めて完了させてそれを待機させていた僕の前に姿を見せたのは一人の少女、第三王女ことマリーヌであった。

 そして、その後ろには彼女よりも背丈の高い病弱そうな少女もいる。


「な、なんでこんなところに!?こ、ここは王家のみに伝わっている秘密の場所で……王家にある転移魔法陣からしか来れないようなところなのに!」


 そんなマリーヌは僕のことを見ると共に動揺の声を上げる。


「……」


 なるほど……なるほどぉ、なんでそんなものがロマルス家の領地の地下にあるんだ。我が家の監視か……?違うだろうなぁ。遺跡にある壁画を見た感じ。

 繋がりがイマイチつかめない……が、そこらはおいおい考えれば良いだろう。お姉ちゃんという便利な知恵袋もあるし。


 どちらかというと問題は僕が知りあいのいる場所へと全力で魔法を叩き込んだということにある。


「……って!今はそれどころじゃないんだ!さっき!すっごい攻撃が来たんだ!ここ全体を震わすような大きな攻撃か!この大事な遺跡を守っていた結界も消えてしまったの!」


「……なるほど」


 僕は額より冷や汗を垂らしながら彼女の言葉に頷き、結界魔法でこの遺跡を守護すると共に砂を生み出して砂漠を元の形へと戻していくのだった。

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