我々はダンジョン・ディテクティブ。チーム名ダイヤモンド・ダスト。そこんところよろしくっ!
第4話 その名は・・・
「サンクチュアリ!傷つけるんじゃないわよ。買取額が下がるんだから。」
「分かってるって。フリージング!とっとと凍りな!!」
金髪の髪を魔力になびかせ、両手を軽く前に広げる少女が、薄く光りながら言うのに答えて、スカイブルーの髪の少女はジャンプしたまま空中を横滑りしつつ、右手をそれに向けて怒鳴る。
薄暗い洞窟。
なぜかぼんやりと光があるそんな洞窟の少し広くなった場所。
金髪の少女がつぶやく「サンクチュアリ!」に合わせて、その広場にとぐろを巻くでっかい蛇が、光の膜に囲われる。
それに間髪を入れず放たれた、冬の吐息のような白い魔力が、光を通り抜け、蛇の肌に到着。触れた場所から、見る見る凍り付いていくのが見えた。
蛇も黙ってはいない。
シャーっと、二つに割れた舌をむき出しつつ、怒りを露わにすると、まだ凍っていないその尾やら頭やらを、少女らに向けて振り抜いてくる。
ズシーン!
が、難なく相方の魔法を通したその光の膜は、巨大で強力な蛇の体当たりに傷すらつかず、反動で蛇が声なき悲鳴を上げたのだった。
蛇の身体はそうする間にも、どんどんと凍る。
頭を尻尾を、蛇は狂ったように囲う光へと何度も打ち付ける。
それを、勝ち誇った表情で見つめる二人の少女。
数分後。
「「イエーイ!」」
ついに力尽きた蛇の前に、少女らはハイタッチを繰り広げた。
◇ ◇ ◇
「確かに、レインボー・アナコンダの納品確認しました。」
決して、大きな声ではないが、列に並ぶ者には聞こえたのだろう、ザワザワと驚きが広がる。
それもそうだろう。
そのブースで報告を受けるのは、年端もいかぬ、しかも少女二人。
「レインボー・アナコンダだって?」
「嘘だろ?あのガキがBだって?」
「誰かの使い、じゃね?」
「Bならありか?でも誰がレインボー・アナコンダなんて納品できるんだ?」
「マッコラさんか、ミラウルさんか、しかし、納品をあんなガキに頼むか?」
二人の耳にも、そんなざわめきが聞こえるが、知らんふり。
こんなのは、今更だ。
雑魚を相手にする暇なんて、ないわ。
そんな風にとっとと帰ろうとする二人に、奥から声がかかった。
「おい、ダイヤモンド・ダストの二人。ちょっと話がある。」
その声をかけた人に、ざわめきがさらに広がる。
「げっ、あれってマッカス会長じゃん。」
「支店長直々の呼び出しって?」
「てか、ダイヤモンド・ダスト?」
「それって・・・」
「噂のSランクってか?まさか?!」
「あんなお嬢ちゃんが、ステータスダイヤモンドだってぇ!!??」
その日、ここ数年で一番の騒ぎに、DD協会キーンキ部会カーサオ支店は包まれた。
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