12話 思惑は結ばれ、策謀が火花と散る3

 ――央洲おうしゅう、央都。玖珂太刀くがたち山本殿にて。


 渦と捲く朱金の波濤が、玖珂太刀くがたち山の本殿を中心に山の裾野までを舐めるように広がった。


 朱華はねずの神気は火気の精髄、浄化の炎そのものである。

 その具現である朱金の波濤は、残り香程度の瘴気すら見逃すことは赦さず。

 足元から浚うそれが過ぎるほどに、山の其処彼処で火花が散っていった。


 吹き溜まりに薄く凝っていた瘴気が余さず浄化されていく。それはその証明。

 玖珂太刀くがたち山に端を発する朱金の輝きは五行の一角を眩く染め上げ、やがては要山を結ぶ霊道を中心に央都全域へと広がっていった。


「くふ。抜け駆けで功名を狙ってみたが、

 ――まあ、この程度が際であろうな」


火気われらは陽気の極致。滑瓢ぬらりひょんにしては手抜かりの感が拭えませんが、仕掛けるならば巧緻奸智を張り巡らせたとしてもケガレか瘴気を利用する筈。

 その総てが消え飛べば、央都に罠を仕掛けても在るだけの塵芥と変わりません」


 呟きにわら朱華はねずに応じながら、嗣穂つぐほは思案に暮れた。


 幸いにして、現在の日天は正中へと至っている。

 この時間帯は火気が最も威力を放つ、その只中だ。

 火気だけが突出しても、現在だけならば瘴気の維持すら困難になる。


 それはケガレにとって、火行の神気で構成された焦獄に斉しく。仮令たとえ大鬼オニであったとしても、瘴気に息衝く存在である限り大幅な能力の減衰は免れないはずであった。


 現時点の央都にいて、全力を振るう権利は正者にしか赦されていないのだ。


「良い。これで少なくとも、時間稼ぎは叶う。

 夕刻までに残りの五行が揃えば、如何に堕ちた神柱と云えど外部からの干渉は不可能となろうさ」


「百鬼夜行は、何時までも維持できるものではありませんしね。

 遺る首魁の滑瓢ぬらりひょんを特定すれば、此度の騒動、根元からの切除を達成したと考えても良いかと」


 百鬼夜行は怪異が率いる強勢な群の暴走だが、当然にして維持するためには莫大な瘴気を必要とする。

 瘴気の発生元である怪異の討滅のみに集中しつつ、残りの群れは瘴気切れによる自然消滅を狙うのが百鬼夜行にける戦闘の定石であった。


 くふ。朱華はねずは喉を鳴らして歓喜に笑い、脇息にしな垂れかかる。


「――ひるがえり、妾たちの仕掛けはどれほどの塩梅に育ったかの?」


「最後に咲さんと会った際、繋がりの痕跡が見られました。

 受け容れてはいても、理解には及んでいないといった辺りですね」


「もう半月はんげつ以上は経とう。

 何をそこまで渋らせておる」


「遠く異国の神柱と繋がるのです。

 言葉だけを聴けば却って理解の妨げにもなりかねませんし、足踏みをしていたとしても現状は静観するべしと判断しました」


 神柱との交信。それが、パーリジャータを咲に預けた真の狙いであった。

 遠く潘国バラトゥシュ揺蕩たゆたう、救世の神柱シータを呼び醒ます。


 本人にすら伝えていないその狙いが的中すれば、この一戦にける乾坤一擲の奇貨となる。

 流石にこの役目は、既に朱華はねずを奉じている神無の御坐嗣穂で代替する事は不可能だ。


 故に残る候補は、最も相性が良く・・・・・・・平均的に強い・・・・・・咲しかありえない。

 


「残る少し、ならば今は未だ弱いだけか。

 ――滑瓢ぬらりひょんが知れば、奪還に動くぞ」


「はい、恐らくは。意図せずとも、女性の咲さんは個別の行動を強いられる局面が多々ありますし。……ですので、咲さんには保険を掛けておきました」


「ふむ?」


 薄く微笑んで、嗣穂つぐほ朱華はねずを見返した。

 意表を突かれ、童女の神柱が双眸を瞬かせる。


 神柱は感情に素直だ。――であればこそ、朱華はねずには嗣穂つぐほの狙いが読めない。

 何しろこの策は、人間の情動を真反対の方向に煽って成立させているからだ。


 憎悪、激怒、そして……。感情の抑制が可能であるからこそ、人の行動は読み難く。

 ――そして制御し易い。


「私たちが咲さんを側室に選ぶと同様に、義王院ぎおういんの側室筆頭が同行どうぎょうそのみ・・・である事は明瞭でしょう。

 ――ですので義王院ぎおういんとの会談の際、わざと・・・咲さんが教導であることを強調して紹介しました」


 奇鳳院くほういんの態勢を崩すべく、義王院ぎおういんが此方の弱い部分に探りを入れるのは間違いない。

 ならば、咲の周囲が突けるほどに薄い事は、向こうも直ぐに気付いたはずだ。


 嗣穂つぐほの周囲は盤石に固めたが、敢えて嗣穂つぐほは咲の周辺を自由にしていた。

 当然、義王院ぎおういんは側室筆頭として重要な、そして護りの薄い咲へと狙いを定めるだろう。


「咲さんが単独の行動をすれば、そのみ・・・さん辺りがこれ幸いに接近をするはず。

 ――多少はいがみ合うでしょうが、事が巧く運べば滑瓢ぬらりひょんの手出しに共闘してくれるでしょう」


「露見すれば、咲にも恨まれよう。

 ――晶に怒られるような策、どうして実行した?」


 義王院ぎおういんを煽り、そのみ・・・を無意識のうちに咲の護衛に仕立てる。

 保険程度であるが、義王院ぎおういんとの関係に優勢を維持したまま戦力を底上げする策であった。


 ただ、嗣穂つぐほも認めている通り、この策は他者の感情を逆撫でしている。

 良好な関係性を崩しかねない、それは紙一重の危惧を孕んだ策だ。

 その点は、嗣穂つぐほも充分に承知をしている。


 ――だが、それでも。


「……だって、狡いじゃありませんか」

 ぽつり。朱華はねずの問いに、嗣穂つぐほはややあって口を開いた。

 それは多分に嫉妬も含んだ、やや稚気た感情の果てにある言葉。

「咲さんは教導で晶さんと四六時中一緒なのに、私は機会が無いと逢えないのですよ。

 一寸くらい、意地悪だってしてみたくなります」


 尖らせた唇から零れる、それは傍迷惑なだけの感情嫉妬

 結局のところ嗣穂つぐほの策に絡め取られたのは、相手は疎か実行した本人も同じであったのかもしれなかった。


 ♢


 ――同時刻。央都、裏手通り。


 ――もと五郎左エ門。

 その名前を耳にした瞬間、咲の胸中には呆けた感情のみが残った。


 聴き慣れない響きという訳でもない。

 剣を手にするものであればこそ、親しみを覚えるほどに馴染んだその名前。


 平民出身であるにも関わらずもののふを名乗り、数多の戦を過ごして生き残った剣豪の名前。

 伝わる逸話も数多く、その多くが芝居で人気のお題目となっている。


 ――だが咲の眼前にその当人が現れるなど、咲をして想像を逸脱した現象であった。

 何しろ、その剣豪が生きていた時代と現代では、優に数百は年月を隔てているからだ。


 同名の人物という線も考え難いだろう。

 一文字をあやかる事こそあれど、余りにも有名過ぎるその名前は、名前負けを恐れて敬遠されることが多いからだ。


「随分と、恥知らずな名前を名乗るのね。

 ――叩きのめされた時の顔が見ものだわ」


 咲との戦いに水を差され、そのみ・・・が不機嫌に太刀の切っ先を向け直した。

 その所作に、古の剣豪と相対した気後れは窺えない。

 そのみ・・・には、眼前に立つ男に敗北する想像が一切つかなかったからである。


 何しろ精霊力は疎か、霊気すら感じられないのだ。

 剣術の技量は別としても、山ン本五郎左エ門と名乗ったその男が宿している精霊の等級は下位であろう事は間違いない。


 だが、取るに足らない小粒でしかないはずのその男性は、鷹揚に刀を納刀おさめた。

 隙が多い。しかし付け入る狭間の見えない姿勢に、咲たちの攻め入る足が鈍る。


 にぃ。揃った歯を剥き出しに、そのみ・・・へと大きくわらってうそぶいた。


「恥と罵られてもなぁ……。

 儂のいみなが五郎左エ門である事は、間違いない事実であるが」


「――別人よね?」


 じり。悟られないように歩をにじり寄せ、場を誤魔化すために咲は口を開いた。


 姿を晒した以上、隠形を維持する意味は無い。畢竟、精霊技せいれいぎが行使できないと踏んで、相手の間合いに意識を傾ける。


 油断なく薙刀を構えて、咲は更に一歩。


「さぁて? 元の肉体にくが朽ちたのは確かであるな。

 ――主上いわく。完全に模造したはくへ、一分と漏らさず模倣したこんを容れた場合、模擬にせものとの差など那辺に有ろうかと」


「それは!!」

 滑瓢ぬらりひょんが持つ神器の権能は、大神柱の縁をすり替えるほどに他者を演じると云う。

 ――その真実。疑似的であっても死者を蘇らせるとなれば、権能としては破格なものと変わる。

そのみ・・・さん。此奴、本物・・だ!!」


「!?」

 咲から飛んだ警告に、しかしそのみ・・・の反応は僅かに遅れた。


 低い姿勢からそのみ・・・へと、滑り込むように山ン本五郎左エ門が間合いを詰める。


 辛うじて振り下ろす斬撃に合わせる形で、剣豪の太刀が居合に抜かれた。

 撃音。鍛え抜かれた体躯がねじじられ、閃く一撃がそのみ・・・を後方に弾き飛ばす。


「くぅっ」


「逃さんよ」「――させるか!」


 体勢を戻す暇など与えぬと、苦悶を残すそのみ・・・へと剣豪が間合いを詰めた。

 無防備にしか見えないその背中へ、咲が放つ燕牙えんがが牙を剥く。

 必中を確信できるほどに肉薄を果たした火焔の飛斬は、

 ――ひるがえった白刃によって、脆い崩音と共に容易く消し飛ばされた。


「嘘」


微温ぬるいのう」


 精霊力すら宿らぬただの・・・一閃。

 それにも関わらず、猛る業火を正面から斬り裂き、何ほどでも無いかのように、その太刀は鈍い輝きを残した。


 埒外にある結果を、だが咲は吃驚に止まる事無く間合いを詰める。

 逸話にいて山ン本五郎左エ門は、多くの戦いを経たという。


 特に人を惹きつけた話題は戦場でなく、衛士との決闘を語るそれが多い。

 歴戦の衛士と対峙して尚、敗北を知らず。という史実・・


 相手が古の剣豪であるとするならば、未熟な咲の燕牙えんが程度は凌いで当然。


 咲も、届かぬと承知で放った一撃。

 ――相手の一歩を、刹那でも止めるための捨てる札だ。


 指弾の狭間さえ稼げれば、そのみ・・・の防御が間に合ってくれる!


 燕牙えんがを砕いた切っ先が鋭い刺突に変わり、そのみ・・・へと向いた。


 迷いなく咽喉のどを貫く軌道。しかしその周囲を、そのみ・・・の水気が絡めとった。

 義王院流ぎおういんりゅう精霊技せいれいぎ、中伝、――たが廻月かいげつ


「ふむ」


 水気の渦動が刺突を捕らえ、捩じ切らんと負荷を掛ける。

 剣豪を名乗る男の体躯へと牙を剥く精霊力の渦。そして、後背から迫るのは咲の斬撃。


 必殺の布陣の只中で五郎左エ門は一呼吸いきを残し、

 ――迷うことなく太刀を手放した。


「な!?」


 抵抗を失い、太刀が空高くへと撥ね飛ぶ。


 ――衛士にとって武器とは即ち精霊器であり、自身の継戦能力精霊技を支える土台そのものだ。

 当然に手放すという発想こそ埒外のもので、無意識にも得物に固執をしてしまう。

 防人であればこそ陥る思考の陥穽。咲たちをしても、それは当然の帰結であった。


 動揺に揺れるそのみ・・・を背に、五郎左エ門は咲へと手刀を振り翳す。


「――ィッ」「くぅっ」

 強靭な体幹と柔軟な筋肉に支えられた手刀が弾き抜かれ、咲の薙刀と噛み合った。


 ――ギ、ィン。

 凡そ生身とも思えない音だけを残し、咲の体躯が後方へと弾かれる。

 ほぼ同時に突き出された掌底に弾かれ、呼吸いきも侭ならないままそのみ・・・が板塀へと激突した。


「か、はぁっ」


「立てぃ、小娘ども。

 その程度、精霊にたのめば賦活するも容易かろう」


 苦悶から膝をつく咲たちを前に、山ン本五郎左エ門が悠然と刀を拾う。

 肩に峰を掛けて見下ろしてくるその威圧は、古の剣豪が眼前に立つ事実を余すところなく示した。


無礼なめてくれる、 、 」

 蹌踉よろける足を必死に鼓舞する咲の反対側で、そのみ・・・の罵声が響きわたる。

仮令たとえ、本物だろうが、数百年前の妄執にこびりついた老害一匹。 大人しく冥府魔道に還るが筋でしょう!」


 猛る精霊力を呼気と共に練り上げ、そのみ・・・は太刀を正中段水行に構えた。

 僅かに落ちる腰から踏み込み、滑るように剣豪へと間合いを詰める。

 義王院流ぎおういんりゅう精霊技せいれいぎ、中伝、――水面月みなもづき


 奇鳳院流くほういんりゅうの隼駆けと同じく、脚速を激甚げきじんに跳ね上げる精霊技せいれいぎ

 迸る水気を駆ける軌跡へと刻み、刹那の内にそのみ・・・は相手の懐へと飛び込んだ。

 義王院流ぎおういんりゅう精霊技せいれいぎ連技つらねわざ――。


玄襲くろがさね!」


 錬磨された歩法から精霊技せいれいぎが繋がる。

 八家が宿す膨大な精霊力に裏打ちされた水気の刃が、間を置くことなく山ン本五郎左エ門を攻撃の圏内へと捉えた。


「ぬぅん!っ」


 視界一杯に迫る激流の刃に向かい、剣豪は大きく呼気を吐き出す。

 その手から刃金が閃き、鈍く鋭い斬撃音が重なる度に水気の刃が砕かれた。


「本当に出鱈目ね!!」


「衛士と太刀を交わして儂が悟った真理は一つ」

 咲とそのみ・・・。2人との間合いを慎重に測りつつ、それでも山ン本五郎左エ門は余裕の内に滔々と語る。

「精霊力は万能であろうが、ただ・・人には限界が存在する。精霊技せいれいぎも又、その限界からは逃れられん」


 ――つまりだ。

 にぃ。剣豪の口元がわらいに歪んだ。否応なく背筋を舐める悪寒、そのみ・・・は迷うことなく地を蹴って間合いを取った。

 遅い。


精霊技せいれいぎであろうが、行使つかうは所詮、ただ・・人だという事よ!」


 山ン本五郎左エ門の手元から斬撃が水平に放たれる。

 全力で跳ねるそのみ・・・の速度を越えて、その閃きは少女の喉元へと狙いを定めた。


ィェアァァッ!」


 そのみ・・・へと迫る刃の軌道を、隼駆けで追いついた咲の薙刀が気炎と共にねじじ曲げる。

 撃音。火花を散らす衝撃の結果、互いに後退を強いられた。


「ほぉう」「――乱繰り、」


 感嘆を吐く山ン本五郎左エ門へと、咲の追撃が牙を剥く。

 奇鳳院流くほういんりゅう精霊技せいれいぎ連技つらねわざ――。


「糸車ァッ」


 くねる斬撃が舞うように連なり、互いに重なる撃音が火花と変わって虚空を灼いた。

 阿僧祇あそうぎ厳次げんじが得意とするその精霊技せいれいぎは、攻め足に特殊なねじりを加える事で軌道の読めない斬撃を連ねる連続技である。


 如何な剣豪と云えど、この精霊技せいれいぎを読み切ることは至難のはず。

 ――だが。


「憶えておるぞ、その軌道。確かぁに、少々面倒な小細工よな」

 怒涛の攻めを防ぎ切って尚、剣豪の口元を刻むわらいに揺らぎは見られない。

「――しかし、止めの一撃は必ず大降りになる。読めんと云うほどでは無いなぁ!」


「くぅっ」


 小さく突き込んだ薙刀に放たれた斬撃が中てられ、そのまま踏み込む一撃が咲へと迫った。


 正確な一撃。しかし、咲の薙刀に釣られ、軌道が衝撃に跳ね上がる。

 舞い散る火花が軌道を描き、咲の肩口をかすめるように虚空を貫く。


 呻く声だけを残し咲は転がるように相手の圏外へと逃げ、

 ――自身の肩が軽くなっている事に気が付いた。


「しまった!」「うん?」


 彷徨う視線が、山ン本五郎左エ門の突きに引き摺られて宙を踊る咲の鞄を捉える。

 そこに結わえられた潘国バラトゥシュの神器が、白く鈍い輝きを彼我に遺した。


「返せっ」


 奪還に駆け寄ろうとした咲を白刃で牽制しつつ、剣豪の武骨な指がその小さな杭を掴み取る。


「させんよ。……察するに、これが神器パーリジャータであるか」

 その正体に思い至り、剣豪は大きく破顔した。

「やれやれ、たのし過ぎて主上の命を忘れるとは。戦いの熱病に耽る癖は死んだところで治らんらしい」


 特攻を仕掛けようと足を撓めた咲とそのみ・・・に対し、山ン本五郎左エ門は大きく距離を取る。

 戦うための距離ではない。それは、


「済まんなぁ。もう少し遊んでいたかったが、こうなっては主上の命を果たすが先よ」

 ――逃げるための距離。


「「待て!!」」


 重なる少女2人の声を捨て置いて、迷うことなく古の剣豪は壁を蹴って平屋の屋根へと移った。


「儂とても、刀を置くは少々心苦しい。

 ――とは云え、主上が特にとたのんだのが逃げ足ゆえな。ここで失礼させて貰うさ」


 呵々カカわらいを残し、山ン本五郎左エ門の姿が屋根の向こうへ消える。

 終始圧倒されながらも、目的を入手した途端のあっさりとした退場。


「「ふ、ふ……」」

 虚仮にされたような相手の態度に、咲とそのみ・・・、2人の肩が大きく震えた。

「「巫山戯るな、あの似非剣豪!!」」


 絶対に逃すものか。

 決意を気炎と吐いて、何処か似たものの2人は勢いよく立ち上がった。


 百鬼夜行が本格的に動いた事すら、彼女たちはまだ知らない。

 だがこれこそが、百鬼夜行の本当の緒戦。


 戦いは未だ、始まりの途上であった。

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