第2話 獣人

 しかしフレアはその階段を登る事なく、一階の廊下を進んでゆく。そしてその突き当たり、何の変哲もない壁を見つけ、音が漏れない仕組みの結界を発動させる魔道具を起動させると、その壁を蹴破った。するとその先には地下へ続く階段が続いていた。情報通りだ。ちなみにその魔道具は以前1000万フリスで購入したものだった。


警戒しつつ階段を下るとそこは殺風景な牢屋みたいな空間だった。檻の中には質素な服を身に纏った獣人たちが閉じ込められている。中には泣いているものもいた。臭いも決して良いものではなく、この人達はの扱いの酷さが伺えた。


獣人たちはフレアを警戒していた。見知らぬ人が入ってきて、次々に檻の鍵を開けてゆくからだ。だが獣人たちはここから逃げればどんな仕打ちが待っているか分からないのでなかなか出られない。


するとフレアは言った。


「私はとある獣人の貴族に依頼されて、君たちを助けにきた。助かりたい者だけついてきて。身の安全は保証する」


「あなたは一体?」


1人が質問をする


「フレアだけど、爆発魔といえばわかるかな? ターゲットはこの屋敷の主人だから安心して欲しい。」


それで正体が伝わったのか、質問した人を皮切りに次々と檻から出てきて、フレアの後に続いて階段を登る。檻に残ったものはいなかった。


そして階段を登り終え、近くの壁を破壊し、外へ続く道を作った。そして1人のしっかりしていそうな人に道を教え、彼らをこの屋敷から脱出させた。

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